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名古屋でタクシー料金の値上げ

 本日から,名古屋のタクシーの値上げがされたようです。

 本日は,刑事事件の判決言い渡しのため,名古屋地裁に出廷した関係で,往復でタクシーを利用したのですが,確かに上がったようです。

 名古屋駅の小型,中型の乗り場は廃止され,一つに統一されていました。

 MKタクシーはやはり上がっていないようです。




傍聴券が交付される裁判

 多数の傍聴希望者が予想される裁判では,傍聴券が交付され,傍聴券のない方は傍聴をすることができません。

 先日,たまたま傍聴券が交付される裁判が開廷される時間が空いたので参加してみました。

1 まず,傍聴券が交付される事件は裁判所のホームページに事前に案内がなされます。

  例えば,開廷の1時間前に指定された場所に並んだ方に対し,くじを引くための番号の札が配られ,くじが当たった方のみに傍聴券が交付されます。

  当たる確率を上げるため,マスコミがバイトを雇って動員することもあるようです。

2 法廷に入るときには,所持品検査と金属探知機による検査があります。

  荷物は,裁判所に預ければ,中身までは確認されないようです。

3 開廷の数分前に裁判官が着席し,テレビの報道用に撮影をする時間が2分間設けられました。

  この2分間は,裁判所職員が厳密に計っていました。 

4 マスコミの方々は,第一報を知らせるため,出入りを繰り返していました。




陳述書等の新証拠が無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たるとして再審開始の決定をした原審の手続に審理不尽の違法があるとされた事例

 最高裁平成29年3月31日決定です(平成28(し)639 再審請求棄却決定に対する即時抗告の決定に対する特別抗告事件 )。 

 新証拠として提出された陳述書の内容の内,離婚を有利に進めるために事件をねつ造したとする請求人の主張とは必ずしも整合していない点があること,いかにも唐突で不自然な感を免れないところがある点,「医師からは最初,何も異常がないので診断書に書くことが無いというようなことを言われました。ですが私は,この時,どうしても診断書が欲しいと思っていましたので医師に離婚のために使いたいということを伝えて,何とかして診断書を書いてくれるよう頼んだところ,結局裁判でも使われた診断書を作ってもらうことができました。」とする裏付けのないままではたやすく信用し難い内容が含まれている点などをふまえ,『証人尋問や請求人の本人尋問等を行わないまま,本件陳述書の信用性は相当に高いなどと評価し,新証拠が請求人に対し無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たると判断した原審の手続には,新証拠の信用性,とりわけ本件陳述書の作成経緯・過程の吟味を怠った点において,審理不尽の違法があるといわざるを得ない。』として,差し戻しの判断がなされています。




相続分の指定が指定された者の遺留分を害するほど過少な場合

 遺言による相続分の指定が過大で他の相続人の遺留分が害されるという場合には、民法上遺留分減殺請求権が認められています。

 一方で、相続分の指定が過少で指定された者の遺留分が害されるという場合には減殺の対象となる贈与や遺贈に相当する被相続人の行為が存在しないことから、遺留分減殺請求権は機能しないことになります。

 結局、遺留分を前提とした遺産分割をすることになるものと考えられます。




無期懲役刑の考え方

 無期懲役には2つの考え方が成り立ちます。

 一つ目は死刑判決は重過ぎると考えられる場合に言い渡されるものであり、二つめは懲役30年(有期懲役の上限)では軽いと考えられる場合に言い渡されるものです。

 実際に仮釈放の運用によっては、無期懲役の性質もかなりイメージが異なってきます。

 刑法28条は、「懲役又は禁錮に処せられた者に改悛の状があるときは、有期刑についてはその刑期の三分の一を、無期刑については十年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に釈放することができる。」と定めています。




弁護士業務におけるマイナンバーの取扱いに関するQ&A

 日弁連の会員ページに掲載されています。

 事務所経営の場面,事件処理(訴訟),事件処理(成年後見),事件処理(破産),総論という分類で解説がなされています。

 特に,成年後見,破産の関係については,以前から対応を検討していたことから,やっと日弁連が公式見解を出してくれたという感じです。




車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付けて位置情報を検索し把握する刑事手続上の捜査であるGPS捜査は令状がなければ行うことができない強制の処分か(積極)

 注目されていた事件です(最高裁ホームページ)。

 最高裁大法廷は,以下のとおり,いわゆるGPS捜査が,令状がなければ行うことができない処分であることを明確に判示しています。

「個人のプライバシーの侵害を可能とする機器をその所持品に秘かに装着することによっ て,合理的に推認される個人の意思に反してその私的領域に侵入する捜査手法であ るGPS捜査は,個人の意思を制圧して憲法の保障する重要な法的利益を侵害するものとして,刑訴法上,特別の根拠規定がなければ許容されない強制の処分に当たる(最高裁昭和50年(あ)第146号同51年3月16日第三小法廷決定・刑集30巻2号187頁参照)とともに,一般的には,現行犯人逮捕等の令状を要しないものとされている処分と同視すべき事情があると認めるのも困難であるから,令状がなければ行うことのできない処分と解すべきである。」

  多数意見では,GPS捜査に対する令状として「検証」によることは適当ではない旨判示しているところですが,岡部喜代子裁判官,大谷剛彦裁判官,池上政幸裁判官の補足意見では,GPS捜査の特質を踏まえた立法的な措置がなされるまでの対応について以下のとおり判示しています。

 「GPS捜査の特質に着目した立法的な措置が講じられることがあるべき姿であるとの法廷意見に示された立場に賛同するものであるが,今後立法が具体的に検討されることになったとしても,法制化されるまでには一定の時間を要する こともあると推察されるところ,それまでの間,裁判官の審査を受けてGPS捜査 を実施することが全く否定されるべきものではないと考える。

 もとより,これを認めるとしても,本来的に求められるべきところとは異なった令状によるものとなる以上,刑訴法1条の精神を踏まえたすぐれて高度の司法判断として是認できるような場合に限定されよう。したがって,ごく限られた極めて重大な犯罪の捜査のため,対象車両の使用者の行動の継続的,網羅的な把握が不可欠であるとの意味で,高度の必要性が要求される。さらに,この場合においても,令状の請求及び発付は,法廷意見に判示された各点について十分配慮した上で行われなければならないことはいうまでもない。このように,上記のような令状の発付が認められる余地があるとしても,そのためには,ごく限られた特別の事情の下での極めて慎重な判断が求められるといえよう。 」




第1審判決及び原判決の判断が論理則,経験則等に照らして不合理で是認できないとして無罪が言い渡された最高裁判決(平成29年3月10日)

 最高裁での逆転無罪判決が出ました(最高裁ホームページ)。

 タイトルは,「置き忘れられた現金在中の封筒を窃取したとされる事件について,封筒内に現金が在中していた事実を動かし難い前提として被告人以外には現金を抜き取る機会のあった者がいなかったことを理由に被告人による窃取を認定した第1審判決及び原判決の判断が論理則,経験則等に照らして不合理で是認できないとされた事例」となっています。

 主文は,

  原判決及び第1審判決を破棄する。

  被告人は無罪。

となっています。

 検察官出身の小貫裁判官が,原判決及び第1審判決が妥当であるという反対意見を付しています。




所有権留保行使の限界~留保所有権者の視点から

 自己破産手続きや個人再生手続きを行う場合には、どのような財産を残せるのかについての検討が欠かせません。

 最近では、(軽)自動車の所有権留保について、その対抗要件の具備を中心に議論されていますが、対抗要件の具備が問題がないにもかかわらず、財産の特質に応じて残せる場合があるかといのがここでの問題意識です。

 端的にいうと、諸事情により留保所有権者が引き上げを行わない場合であり(オーダーメードの商品で転用が困難なケースや、引き上げないし撤去費用に多額の費用が発生するケースと一応言えそうです。)、公にはなかなかならず、かつ、結果論的な側面も非常に強く、破産管財人や裁判所との協議が重要な意味を持ちそうではありますが、引き続き研究を進めたいと思います。

 なお,例えば,JCBの会員規約(個人用)では,以下のとおり定めています。

第23条 (債権譲渡の承諾・立替払いの委託)

1. 当社、JCB、JCBの提携会社またはJCBの関係会社と加盟店間の契約が債権譲渡契約の場合、会員はショッピング利用代金の債権について以下のことを予め異議なく承諾するものとします。なお、債権譲渡に際しては、JCB が認めた第三者を経由する場合があります。(1) 加盟店から当社に対して債権譲渡すること。(2) 加盟店からJCB に対して債権譲渡したうえで、当社がJCB に対して立替払いすること。(3) 加盟店からJCBの提携会社に対して債権譲渡したうえで、当社が当該JCBの提携会社に対して立替払いすること。(4) 加盟店からJCBの関係会社に対して債権譲渡したうえで、JCB が当該JCBの関係会社に対して立替払いし、さらに当社がJCB に対して立替払いすること。

2. 当社、JCB、JCB の提携会社またはJCB の関係会社と加盟店間の契約が立替払い契約の場合、会員はショッピング利用代金の債権について以下のことを予め異議なく承諾するものとします。なお、加盟店への立替払いに際しては、JCBが認めた第三者を経由する場合があります。(1) 当社が加盟店に対して立替払いすること。(2)JCB が加盟店に対して立替払いしたうえで、当社がJCB に対して立替払いすること。(3)JCB の提携会社が加盟店に対して立替払いしたうえで、当社が当該JCBの提携会社に対して立替払いすること。(4)JCB の関係会社が加盟店に対して立替払いしたうえで、JCBが当該JCBの関係会社に対して立替払いし、さらに当社がJCBに対して立替払いすること。

3. 商品の所有権は、加盟店から当社に債権が譲渡されたとき、または当社が加盟店、JCBもしくはJCBの提携会社に対して立替払いをしたときに当社に移転し、ショッピング利用代金の完済まで当社に留保されることを、会員は承認するものとします。




預金債権の相続に関する最高裁平成28年12月19日決定についての調査官解説と窪田充見神戸大学教授の論文

 ジュリスト1503号に,共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権が遺産分割の対象となることを認めた最高裁平成28年12月19日決定についての,齋藤毅調査官の解説と窪田教授の論文が掲載されています。

 調査官による解説では,関連する問題として,①共同相続人の一部による払戻しの可否,②共同相続人の1人が相続開始後に預貯金を払い戻した場合における不当利得又は不法行為の成否,③相続人の債権者による預貯金債権の差押え・取立ての可否,相殺の可否を検討しています。

 窪田教授の論文では,①可分債権についての当然分割原則を維持するべきか(本最高裁決定では,可分債権の当然分割原則は維持しています。),②至急に預金の払戻しが求められる場合の対応方法(審判前の保全処分について発令要件を緩和するなどの措置が法制審議会で検討されていることが紹介されています)等について検討しています。




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