村上裕章「森友学園事件から見えてくる法的問題」
法律時報90巻2号で、行政法の村上裕章九州大学教授が、いわゆる森友学園事件について、随意契約、公文書管理、情報公開という観点から論じています。
同誌には、藤原靜雄中央大学教授が「加計学園問題と情報公開・公文書管理」という論文も掲載されています。
名古屋市の弁護士 森田清則(愛知県弁護士会)トップ >>
法律時報90巻2号で、行政法の村上裕章九州大学教授が、いわゆる森友学園事件について、随意契約、公文書管理、情報公開という観点から論じています。
同誌には、藤原靜雄中央大学教授が「加計学園問題と情報公開・公文書管理」という論文も掲載されています。
6月から施行が予定されている刑事免責制度は,証人の刑事事件について,その証言及び当該証言から派生して得られた証拠の使用を禁止することと引き換えに,刑事訴訟法146条で保障されている証言拒絶権をはく奪する制度です。
上記のとおり,証言拒絶権をはく奪することにこの制度の主眼があることが明らかですから,証言拒絶権はく奪制度とでも言った方が制度の理解には資するような気がします。
刑事免責制度には被疑者・被告人の同意は不要であること,協議・合意制度(いわゆる司法取引)と異なり対象犯罪の限定がないこと,検察官が刑事免責の適用を請求した場合裁判所は免責決定をする必要があることが重要な点です。
司法取引となる特定犯罪の場合には,司法取引と刑事免責制度の可能性を検討しつつ,弁護方針を考えるべき場合も想定されます。
信託受益権を複層化した場合の評価については,収益受益権と元本受益権を分けて評価し,元本受益権は収益受益権の評価額を控除した金額と扱うことが財産評価基本通達202⑶イロに定められています。
しかし,実務上活用が期待されている受益者連続型信託の場合で,受益権が複層化される場合については,収益受益権の受益者が,収益受益権のみならず元本受益権をも含めた信託財産の全額を取得したものとみなし,委託者からの取得(相続)時に受益者に信託財産の評価額に対して相続税が課税される扱いとされています(相続税法9条の3第1項)。
国税庁ホームページでは,「法第9条の3第1項では、受益者連続型信託についての贈与税又は相続税の課税上、受益者連続型信託に関する権利(異なる受益者が性質の異なる受益者連続型信託に係る権利(当該権利のいずれかに収益受益権が含まれるものに限る。)をそれぞれ有している場合にあっては、収益受益権が含まれるものに限る。)に当該受益者連続型信託の利益を受ける期間の制限その他の当該受益者連続型信託に関する権利の価値に作用する要因としての制約が付されているものについては、当該制約は付されていないものとみなされることとされた。したがって、例えば、受益権が複層化された受益者連続型信託の収益受益権を個人X1が、元本受益権を個人Y1が有するものについて、収益受益権が個人X2に、元本受益権が個人Y2に移転した場合における課税上のそれぞれの受益権の価額については、当該収益受益権の価額は、当該受益者連続型信託の信託財産そのものの価額と等しいとして計算され、当該元本受益権の価額は、零となる。」と説明されています。
労働組合は,労組法が規定する法的保護を受けることができるか否かという観点から,「法適合組合」と「自主性不備組合」に分類して議論されることがあります。
法適合組合とは,労組法2条本文及びただし書1号・2号と労組法5条2項の規約の必要的記載事項のすべての要件をみたす労働組合を指します。
法適合組合は,労組法が規定する刑事免責,民事免責,法人格の取得,不当労働行為の救済,労働協約の規範的効力,一般的拘束力,地域的一般的拘束力の申立て資格,労働委員会への労働者委員の推薦資格が認められることになります。
一方,労組法2条本文の定義は満たすが,使用者の利益代表者の加入を認めないこと,経理上の援助を受けないことという労組法2条ただし書の要件をみたさない自主性不備組合においては,労組法の法的保護を受けることはできないことになります。
ただし,労組法2条本文の要件を満たす場合には憲法28条が想定している労働組合には該当すると考えられるので,憲法上の効果として生じると考えられる刑事免責,民事免責,不利益取り扱いについての民事訴訟による救済をうけることができると考えられています。
なお,実務的には,企業別組合かいわゆる合同労組かという観点も非常に重要であり,特に団体交渉の場面では慎重な対応を要するものと考えられます。
労働組合法(抜粋)
信託を設定する際には,様々な留意点がありますが,税の問題のほか,一般的に以下の点はよく問題になるものと考えられます。
1 受託者規制
信託業法2条は,業として,信託の引き受けを行う場合には,免許又は登録を要求しているので,弁護士が受託者となることはできないと考えられる。なお,信託業法施行令1条の2は,弁護士の預り金等について,信託業法の適用除外を定めている。
一般社団法人を設立し,受託者にするスキームを検討することもある。
2 遺留分への配慮
信託行為にも当然民法の遺留分の規定が適用される。
遺留分を侵害したか否かを判断するにあたり受益権の評価をする必要がある。
3 実効性のある監督・具体的方法
受託者は,成年後見人以上に横領への誘惑があると指摘される。
信託行為で具体的な条項を定めるほか,信託法上の監督機関として,信託管理人(受益者が現に存在しない場合に,受益者のために自己の名で受益者の権限を行使する者),信託監督人(受益者が現に存在する場合に,受益者のために自己の名で受益者の権限を行使する者), 受益者代理人(受益者の代理人として,受益者が有する一切の権利を行使する者)の各制度による対策も考えられる。
4 信託期間は長いこと
後継ぎ遺贈型受益者連続信託では,約100年信託が継続することも想定されるし,他の類型の信託でも長期間にわたることが想定され,信託を安定的に維持するため,変化を見越した条項を作成する必要がある。
5 信託口口座の開設
金銭を信託財産とする場合には,いわゆる信託口口座を開設できることが重要となる。信金などが積極的に応じるケースもあるという指摘もある。
6 後見制度との連携
信託は後見制度とは異なった形で財産管理を行うことができるが,身上監護については後見制度を利用する必要があるなど,各制度の連携を前提としたスキームを検討することが必要である。
団体交渉における誠実交渉義務は、使用者に譲歩するまでの義務を課すものではありません(なお、「誠実」性については、使用者側だけでなく組合側の交渉態度も考慮して判断するべきだと考えられます。)。
交渉が進展する見込みがなくなれば、団体交渉を継続する余地はなくなったとして、団体交渉の継続を使用者側が拒絶した場合には、正当な理由がないとはいえないとした最高裁判例もあります(最高裁平成4年2月14日判決)。
しかしながら、いったん、団体交渉の打ち切りが正当と評価される場合であっても、月日の経過や事情変更により、交渉再開に意義が出てくる場合もあり得るところです。
「交渉の行き詰まり」と、その解消ないし消滅については、諸般の事情から判断するべきことになります。
誠実交渉義務に関する裁判例等については、植田裕紀久「誠実交渉義務違反について(上)(中)(下)」に詳細に紹介されています。
茅嶋康太郎(医学博士・産業医)「会社や仕事につぶされない働き方・休み方」(すばる舎)では、過労になりやすいタイプとして、以下の類型で説明されています。
・ 真面目で仕事を断るのが苦手の人
・ 人がよくて仕事を断れない人
・ 体力の限界に気づけない人
・ 不器用で要領のよくない人
・ 仕事の上で、パフォーマンスが高くない人
・ オン/オフの切り替えが苦手の人
・ 不平・不満を持ちやすい人
弁護士として、労務管理のアドバイスを行う際にも、産業医の発想や、各タイプについての対策を参考に行うことが考えられます。
覚せい剤取締法違反事件は、国選事件において,一般の弁護士も比較的取り扱うことの多い犯罪類型といえます。
覚せい剤取締法違反、特に、自己使用や、単純所持の場合、入手先に関する情報を捜査機関にどの程度明らかにしたかが、情状の観点から評価される要素として挙げれられます。
上記のような構造から、司法取引が導入された場合に、覚せい剤取締法違反が問題になる可能性があると指摘される所以といえると思います。
司法取引の合意を行う当事者は、検察官と被疑者か被告人と定められており、弁護人は当事者という位置づけではありません。
司法取引において合意できる行為は、被疑者・被告人(いわゆる協力者)ができる行為として、
・ 他人の刑事事件について被疑者・参考人の取調べで真実の供述をすること
・ 他人の刑事事件について証人尋問で真実の供述をすること
・ 他人の刑事事件について捜査機関による証拠収集に関して上記を除いた証拠提出その他の証拠収集に協力すること
が定められています。
検察官ができる行為として、
・ 不起訴処分
・ 公訴取消し
・ 特定の訴因・罰条での起訴とその維持
・ 特定の訴因・罰条の追加・撤回・変更の請求
・ 特定の求刑
・ 即決裁判手続の申立て
・ 略式命令の請求
などが定められています。
司法取引において合意が成立した場合には、各当事者は合意の履行義務を負うことになりますが、履行を確保するための手段として、被疑者・被告人に対する項目として虚偽供述等に対する罪が定められ、検察官が合意違反を行ったときには、裁判所が判決で公訴を棄却しなければならないこと等が定められています。
判例時報2354号に掲載されています。
NHK受託会社従業員の訪問の態様に関する事実関係と、不当訴訟と評価された事実関係(反NHK活動をしている元NHK職員の存在、訴訟提起後の訴訟追行態度、賠償額として弁護士費用の54万円が認められたこと等)、さらに、共同不法行為と評価された事実関係について参考になります。
同号には、勤務先会社が指定するウイークリー・マンションのテレビジョン受信機付きの居室に入居しNHKテレビ放送を受信し得る状況を享受する者は、放送法六四条一項にいう「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者」に当たり、NHKとの間で放送受信契約を締結して受信料を支払ったことは法律上の原因があるとされた事例(東京高判平29・5・31)、秘密証書遺言が遺言能力を欠くとして無効とされた事例(東京地判平29・4・25)なども掲載されています。
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