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民泊事業を禁止するためのマンション管理規約改正

 いよいよ、いわゆる民泊を認める住宅宿泊事業法が施行されます。

 同法が施行されると、分譲マンションにおいても、自治体への届け出を行うことにより民泊を行うことが可能になります。

 届出の要件に「管理規約違反の不存在」が規定される予定であることから、民泊を禁止したいマンションの住人の方は、民泊を禁止することを管理規約に定めることで、民泊を禁止することができます。

 分譲マンションにお住まいの方は、管理規約(の改正)について、確認することをおすすめします。

 詳しい弁護士に規定を確認してもらうことも必要かもしれません。




スクールロイヤーと利益相反

 学校に関する法律相談も定期的に受けますが、これまでは児童・生徒の保護者からの相談がほとんどです。

 最近聞くようになったスクールロイヤーについても、関心を持っています。

 しかしながら、伝統的な弁護士業務の観点から考えると、やはり利益相反の問題が頭をよぎります。

 学校と保護者間、担任と保護者間、あるいは生徒間の「調整」的な役回りは、やはり、違和感が残ります。




被疑者国選対象事件の拡大

 平成30年6月1日から,勾留されている全事件が被疑者国選の対象事件となります。

 5月31日以前に勾留され6月1日時点で勾留が継続している事件も対象となることもポイントです。

 今後は,勾留後は全件弁護人が選任されることから,勾留前の対応をどのようにしていくかより重要な検討課題だと思います。

 平成30年6月1日は,協議合意制度,刑事免責制度が導入される日でもあります。




改正民法の施行時期

 民法の一部を改正する法律の施行時期を定める政令(平成29年政令第309号)により,原則として2020(平成32)年4月1日から施行されることが決まっています。

 例外の一つ目として,定型約款の規定の経過措置については平成30年4月1日に施行されています(法務省ホームページ)。

 例外の二つ目として,保証についての公証人による保証意思確認手続きの創設に関する事項については2020(平成32)年3月1日に施行されることになっています。




個人根保証契約と個人貸金等根保証契約

 個人根保証契約とは、一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約であり、保証人が法人でないものをさします(改正民法465条の2第1項)。

 個人根保証契約は、極度額を定めなければ効力を生じないことになります(同条2項)。

 個人根保証契約の典型例として、不動産の賃借人の債務を主債務の範囲に含む保証契約が挙げられます(その理由として、賃料債務がいつまで続くか不特定だからとか、原状回復債務や用法違反に基づく損害賠償債務など額がわからない債務が含まれるから等の理由があげられているようです)。

 個人貸金等根保証契約の極度額に関する規律を、他の個人根保証契約にも拡大したことになります。

 個人貸金等根保証契約とは、個人根保証契約のうち、その主たる債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務が含まれるものをいいます(同465条の3第1項)。

 個人貸金等根保証契約では、元本確定期日の定めがある場合(同条1項)と、元本確定期日の定めがない場合(同条2項)について規律が定められています。

 個人根保証契約では、元本確定期日に関する規律はありません。




保証意思宣明公正証書と執行認諾文言付公正証書の関係

 改正民法465条の6第1項は、「事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約」または「主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約」について、保証人になろうとする者は保証契を履行する意思を表示した公正証書、いわゆる保証意思宣明公正証書を保証契約締結の日前1か月以内に作成しない限り、保証契約の効力が生じないとされます。

 この保証意思宣明公正証書は、保証意思があることを公証するものにすぎないことから、保証契約そのものという位置づけることはできません。

 したがって、執行認諾文言(民事執行法22条5号参照)を付することにより、債務名義とすることはできないことと考えられています。




土地工作物の所有者の責任と不可抗力免責

 民法717条の土地工作物の所有者の責任は、いわゆる無過失責任を定めた規定と一般に考えられています。

 無過失責任の意味は、所有者が損害の発生を防止するのに必要な注意を怠らなかったことを主張立証したとしても、免責されないということです。

 不可抗力の場合にも所有者は責任を負うのかについては、争いがあるようですが、不可抗力を主張立証できれば免責を認めるべきであると考えますが、どのような場合に不可抗力といえるかについて、非常に難しい問題となります。

 なお、所有者が責任を負うのは、瑕疵の要件と因果関係の要件を満たすことが前提となります。




住宅宿泊事業法(いわゆる民泊法)の施行時期

 平成29年6月16日に公布された、いわゆる民泊を認める住宅宿泊事業法は、公布から1年以内に施行されることとされていましたが、平成30年6月15日から施行されることになります。

 住宅宿泊事業法は、旅館業法の特別法という位置づけられます。

 旅館業法では、施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業を行う場合には、旅館業法上の許可が求められますが(旅館業法3条1項)、許可要件の区分に応じて、適法に実行できるものとして、①ホテル営業(2条2項)、②旅館営業(2条3項)、③簡易宿所営業(2条4項)、④下宿営業(2条5項)が規定されています。

 さらに、特区民泊、イベント民泊という類型もあります。

 住宅宿泊事業法のポイントは、届出制であること、宿泊日数が「180日を超えない」こと、マンションにおいて民泊を禁止したい場合にはマンション管理規約に民泊を認めない旨明確にしておくべきこと等が指摘できると思います。




敷引特約の有効性の考え方

 建物の賃貸借契約においては,通常使用による損耗費用については賃貸人負担となるのが原則であり最高裁平成17年12月16日判決も同様の立場です。

 通常使用の損耗費用を一定額の金額で明示している場合,いわゆる敷引特約の有効性が問題となった最高裁平成23年3月24日判決は,「賃貸借契約に敷引特約が付され,賃貸人が取得することになる金員(いわゆる敷引金)の額について契約書に明示されている場合には,賃借人は,賃料の額に加え,敷引金の額についても明確に認識した上で契約を締結するのであって,賃借人の負担については明確に合意されている。そして,通常損耗等の補修費用は,賃料にこれを含ませてその回収が図られているのが通常だとしても,これに充てるべき金員を敷引金として授受する旨の合意が成立している場合には,その反面において,上記補修費用が含まれないものとして賃料の額が合意されているとみるのが相 当であって,敷引特約によって賃借人が上記補修費用を二重に負担するということはできない。また,上記補修費用に充てるために賃貸人が取得する金員を具体的な 一定の額とすることは,通常損耗等の補修の要否やその費用の額をめぐる紛争を防止するといった観点から,あながち不合理なものとはいえず,敷引特約が信義則に反して賃借人の利益を一方的に害するものであると直ちにいうことはできない。」と判示しました。

 このような考え方に対し,最高裁平成23年7月12日判決の岡部喜代子裁判官は,敷引金の総額を明示しているとしても,それがどのような法的性質を有するのかが明らかでなければ借主の保護が十分ではないという観点から,以下のとおり反対意見を述べています。

「敷引金は個々の契約ごとに様々な性質を有するものであるのに,消費者たる賃借人がその性質を認識することができないまま賃貸借契約を締結していることが問題なのであり,敷引金の総額を明確に認識していることで足りるものではないと考える。」「賃借物件を賃借しようとする者は,当該敷引金がいかなる性質を有するものであるのかについて,その具体的内容が明示されてはじめて,その内容に応じた検討をする機会が与えられ,賃貸人と交渉する ことが可能となるというべきである。例えば,損耗の修繕費として敷引金が設定さ れているのであれば,かかる費用は本来賃料の中に含まれるべきものであるから (最高裁平成16年(受)第1573号同17年12月16日第二小法廷判決・裁判集民事218号1239頁参照),賃借人は,当該敷引金が上記の性質を有するものであることが明示されてはじめて,当該敷引金の額に対応して月々の賃料がその分相場より低額なものとなっているのか否か検討し交渉することが可能となる。 また,敷引金が礼金ないし権利金の性質を有するというのであれば,その旨が明示されてはじめて,賃借人は,それが礼金ないし権利金として相当か否かを検討し交渉することができる。事業者たる賃貸人は,自ら敷引金の額を決定し,賃借人にこれを提示しているのであるから,その具体的内容を示すことは可能であり,容易でもある。それに対して消費者たる賃借人は,賃貸人から明示されない限りは,その具体的内容を知ることもできないのであるから,契約書に敷引金の総額が明記されていたとしても,消費者である賃借人に敷引特約に応じるか否かを決定するために 十分な情報が与えられているとはいえない。」「敷引特約についても,敷引金の具体的内容を明示することは,契約締結の自由を実質的に保障するために,情報量等において優位に立つ事業者たる賃貸人の信義則上の義務であると考える(なお,消費者契約法3条1項は,契約条項を明確なものとする事業者の義務を努力義務にとどめているが,敷引特約のように,事業者が消費者に対し金銭的負担を求める場合に,かかる負担の対価等の具体的内容を明示する義務 を事業者に負わせることは,同項に反するものではない。)。」




仮想通貨の「資産」該当性

 仮想通貨は変動が大きく,実際的には「通貨」として使いづらい点をとらえて仮想「資産」と呼ぶべきであるという主張がときどきなされますが,課税の観点からも譲渡所得を検討するべき「資産」に該当するかも解釈上問題になります。

 譲渡所得とは,「資産の譲渡による所得」をいいます(所得税法33条1項)。

 この「資産」とは,譲渡性のある財産権をすべて含む観念で,動産・不動産はもとより,借地権,無体財産権,許認可によって得た権利や地位など広くそれに含まれるとされています(金子宏「租税法第22版」247ページ)。

 以上のとおり,税法の解釈としても,仮想通貨が,「資産」に該当するとも考えられることになります。




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