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弁護人が一部執行猶予を求めるとき

 平成28年6月以降に判決が言い渡される事件で,一部執行猶予制度が開始するようです。

 一部執行猶予の要件として,「再犯のおそれ」が挙げられていることから,弁護人が一部執行猶予を求めるべき場合と言うのは,容易に想像できないところです(弁護人が再犯のおそれありという主張立証をすることはないと思われる。)。

 再犯のおそれがないと思われるホワイトカラー犯罪,介護疲れによる家庭内殺人等の事件では,このような観点から一部執行猶予制度の適用は想定されないということになります。

 また,一部執行猶予が付されると,保護観察期間が満了されるまでは国による干渉が続くと捉えれば,全部実刑とどちらが被告人に有利なのか,具体的に被告人にどう説明するべきかも難しい問題だと思います。

 実刑相当と裁判所により判断された事件において施設内処遇と社会内処遇の連携による再犯防止を図るという一部執行猶予制度の趣旨をふまえてじっくり研究しておく必要がありそうです。




判例時報社ホームページ

 判例時報社がホームページを公開しています(株式会社判例時報社)。




手引き「死刑事件の弁護のために」の解説

 季刊刑事弁護86号に奥村回弁護士の「手引き『死刑事件の弁護のために』に対する意見・批評等について」という論文が,判例時報2285号に後藤貞人弁護士の『手引き「死刑事件の弁護のために」が目指すもの』という論文が掲載されています。

 いわゆる死刑事件(死刑求刑があり得る事件)を扱わなくても,およそ刑事弁護を扱う弁護士としては,全体を見ておく必要があると思います(特に,被害者参加についての意見の考え方など)。




信用金庫法40条2項による支配人についての会社法の準用

 信用金庫は,商人でも会社でもありませんので,商法及び会社法の適用がありません。

 しかしながら,信用金庫の支配人については,信用金庫法40条が以下のような定めをしており,取引の相手方保護が図られていると評価することが可能です(他にも会社法を準用する規定はあります)。

 
(支配人)
第40条 金庫は、理事会の決議により、支配人を置くことができる。
 
 支配人については、会社法第11条第1項及び第3項(支配人の代理権)、第12条(支配人の競業の禁止)並びに第13条(表見支配人)の規定を準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。




証明責任による判決を回避する法理論

 証明責任を形式的に適用して裁判をすることは,時に公平,適正を欠くのではないかという事例があります。

 高橋宏志先生の整理によれば,表見証明,証明妨害,事案解明義務,証明度の引下げ,割合的認定という理論があるようです。

 現在作成している準備書面に活用しようと思います。




水野祐『デザインの法的保護とその限界ー五輪エンブレム問題を通して』再読

 法学教室422号47頁に掲載されていた,水野祐弁護士の論文を読みました。

 白紙撤回された佐野研二郎氏のロゴ案について,商標法,著作権法,不正競争防止法上の特段の問題はないという立場から,五輪エンブレム問題が提示した課題について検討がなされています。




ゴールデンウィークは暦どおり

 5月2日,5月6日を休みにすると10連休となるようですが,当事務所は基本的に暦どおりの営業です。

 ご相談ごとなどあれば,こちらをご覧ください(弁護士法人心HP)。




個人識別符号に関する政令の方向性について(個人情報保護法2条2項)

 第5回個人情報保護委員会の資料として挙げられています(個人情報保護委員会HP。同委員会の法人番号も掲載されています。)。

 個人識別符号は,改正された個人情報の保護に関する法律2条により,以下のとおり定められており,それぞれ1号個人識別符号,2号個人識別符号と整理して議論されています。

   この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。

 一 (略)

 二  個人識別符号が含まれるもの

2 この法律において「個人識別符号」とは、次の各号のいずれかに該当する文字、番号、記号その他 の符号のうち、政令で定めるものをいう。

  一  特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その 他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの

  二  個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り当てられ、又は 個人に発行されるカードその他の書類に記載され、若しくは電磁的方式により記録された文字、番 号、記号その他の符号であって、その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるもの となるように割り当てられ、又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しく は購入者又は発行を受ける者を識別することができるもの




江頭憲治郎編著『合同会社のモデル定款‐利用目的別8類型‐』

 江頭先生と実務家によるもののようです(商事法務HP)。

 会社設立のご相談の際には、株式会社と合同会社を中心に説明をしていますが、どうしても合同会社の文献は少ないのが現状だと思います。

 同書で実務的な観点から合同会社について勉強したいと思います。




『尾行による行動確認』の強制処分該当性

 最近発売された,粟田知穂著『エクササイズ刑事訴訟法』で検討されており,GPS装置を用いたりしたなどの事情がないことを強制処分に該当しない理由として挙げています(同書57ページ)。

 一方で,同書76ページでは,GPS装置による捜査の強制処分該当性を否定する理由づけとして,尾行の補助手段としての位置づけにとどまることが挙げられています。

 愛知県警も,民間会社が提供しているGPS装置を利用した捜査を行っているようです。




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