主に以下のような視点から,秘密保持契約のチェックをしています。
1 秘密保持契約を締結する目的はなにか。
2 目的との関係で,相手方とこちらとで,どちらが質的量的に多くの価値を有する情報を持っているか。
3 秘密情報の特定,明示の方法が現実的に可能な方法になっているか。
相手方から口頭で伝えられた秘密と思われる内容の扱い,また当方が口頭で話してしまったものを秘密とするための要件設定や,口頭で伝えた情報を保護しないとするかどうかの価値判断等も。
4 返還,破棄,損害賠償・差止め,誠実協議,紛争解決等の条項は,秘密保持契約終了後も引き続き効力を有する旨規定するべきか。秘密保持契約が途中で解除された場合も,一定期間は効力を有する旨規定するべきか。
5 秘密情報によることなく単独で開発したものを秘密保持の例外とする場合の対応をどうするか。
受領者側が開示を受けた情報の内容を理解してしまうと後知恵によって受領者が独自に開発したといえる状況を作出されてしまう可能性もある。
6 その他
使用者の安全配慮義務違反により傷病にり患し休業した労働者としては,民法536条2項に基づき不就労期間の賃金を請求する法律構成と,債務不履行(民法415条)もしくは不法行為(民法709条)に基づいて損害賠償請求する法律構成が考えられます。
それぞれの法律構成から考えられる違いとしては以下のものが考えられますが,裁判例は,労働者に有利な方を認容する傾向にあるようです(君和田伸仁著「労働法実務解説5解雇・退職」(旬報社。2016)205頁参照)。
1 賃金請求では残業代請求を計算基礎に含められないことが多いのに対し,損害賠償請求では計算基礎に含まれる。賞与についても,賃金請求では認められないことが多い。
2 賃金請求では,労基法24条1項が規定する全額払いの原則から過失相殺による減額がされないのに対し,損害賠償請求では過失相殺(訴因減額)がされやすい。
3 その他,損益相殺の有無,消滅時効の期間が異なる。
給料等の継続的給付に係る債権に対し,扶養義務等に係る債権差押えと一般債権者による債権差押えが競合した場合,扶養義務等に係る債権について4分の1を超え2分の1までの範囲についてまず配当を行い,不足分について競合する4分の1までの範囲から案分配当をするという非競合部分先行充当説が実務上有力のようです。
毎回購入している刑事法ジャーナルの最新号の特集は,「包括一罪の現代的課題」と「捜査における位置情報の取得」です。
只木誠中央大学教授の「包括一罪の現状と課題」,村瀬均元東京高裁判事の「包括一罪の判断の在り方」,中谷雄二郎元東京高裁判事の「位置情報捜査に対する法的規律」,亀石倫子弁護士の「捜査による位置情報の取得と弁護」等の論文が掲載されています。
「再調査の請求書」の書式が,国税庁ホームページにアップされています。
平成26年の国税通則法改正において,従来の「異議申立」から,「再調査の請求」に名称が変わったこと,審査請求とは選択的となったことなどが重要です。
平成28年4月以降になされた処分について再調査の請求を行う際には,こちらを利用することになります。
最近,いわゆる残業代請求のなかでも,定額残業代の規定が問題となることが多くあります。
峰隆之弁護士が編集代表の標記の書籍が出版されましたので,早速購入して読んでいます。
使用者側の立場から,この種の事件の論点,裁判例について網羅的に検討されています。
民事訴訟法292条2項は,訴えの取下げについて規定する同法263条を準用しており,当事者が控訴審の口頭弁論に出頭せず,1か月以内に期日指定の申立てをしないなどの事情がある場合には,控訴の取下げが擬制されます。
控訴の取下げにより,控訴審の訴訟係属は遡及的に消滅することになります(民事訴訟法292条2項,262条1項)。
控訴人代理人の立場,被控訴人の立場でそれぞれ経験があります。
景品表示法の表示規制は,事業者が商品又はサービスについてする表示の内,内容の優良性や取引条件について一般消費者に誤認される表示を禁止するものとされています。
したがって,事業者に対する表示は原則として景品表示法の表示規制の対象外と言うことになります。
事実に反する表示であっても一般消費者に関係しない場合には,別途,独占禁止法の不公正な取引方法のうちの「ぎまん的顧客誘引」(一般指定8項)の検討が必要になります。
名古屋地裁本庁では,破産の免責審尋は集団で行われます。
裁判官によっては,出席した破産者に個別に質問をすることがあり,裁判所への申立から時間が経過していることもあり,依頼者と,以下の事項について確認しておくようにしています。
1 免責審尋時には支払い義務は法的に既になくなっているか,いないか。
2 免責されても支払義務がなくならないものはどのようなものか(非免責債権)。
3 どのような場合に免責がされないか(免責不許可事由)。
4 その他,破産に至ってしまった経緯,その関連で現在気を付けていること等