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マイナンバー法対応2~個人番号利用事務等実施者の概念

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(いわゆるマイナンバー法)では,「個人番号利用事務等実施者」を,個人番号利用事務実施者(ほぼ行政)と個人番号関係事務実施者(民間)を指す言葉として規定しています(法12条かっこ書)。

 マイナンバー法14条1項は,個人番号利用事務等実施者が個人番号利用事務等実施者等を処理する必要があるときに,⑴本人に対して,また,⑵他の個人番号利用事務等実施者に対して,個人番号の提供を求めることができると規定しています。

 ⑵の典型例としては,企業が従業員の扶養親族等の個人番号を記載した「扶養控除等(異動)申告書」の提出を求める場合があげられ,このときの当該従業員は,「他の個人番号利用事務等実施者」に該当することになります。 




労災上積補償金の受給者の就業規則の定め

 労災保険給付で賠償しきれない場合に備えて,労災上積補償金を就業規則に定めている会社は多いと思います。

 労働者が死亡した場合の労災上積補償金の受給者については,⑴民法上の相続人とする規定と,⑵労働者災害補償保険法の遺族補償に関する受給権者の定めによるとする規定があり得ます。

 会社に対する損害賠償請求権が相続財産であり,労災上積保険の加入目的が労災保険では賄えない損害に充当するためという偽らざる事実からすると⑴の規定が望ましいといえますし,上積補償が本人の収入に依存してきた家族の生活維持にその目的があるとすれば⑵の規定が望ましいといえそうです。

 皆さまの会社の就業規則はどのようになっているでしょうか。




対抗要件が具備された所有権留保自動車の個人再生手続き上の処理方法

 ローンの支払いが完了していない自動車について対抗要件の具備された所有権留保が設定されている場合,信販会社は,開始決定後であっても,別除権者として引渡しを請求できることになります(再生債権の弁済禁止。民事再生法85条1項参照)。

 実務上は,代理人弁護士が受任通知を発送した時点で弁済を停止することから,引き渡しの請求を行うことが通常です。

 再生債務者にとって自動車が生活上欠かせない場合には、信販会社と交渉をして,親族等が残債務を一括して弁済する、親族等に時価で買い取ってもらう、連帯保証人が引き続いてローンを支払う、親族等が従前と同じ条件で新たな債務引き受けをする等の方法をとることが考えられます。

 また,再生債務者が上記のような方法をとることができない場合に,弁済協定を締結し、当該債務をとして共益債権として弁済(民事再生法119条)することも一応考えられますが,認められにくいのが実務の傾向です(通勤に使用するという程度では足りない。)。

 なお,買主が提携ローンとして金融機関から代金相当額を借入れ,売主(販売会社)が買主のためにこの金融機関からのローンについての連帯保証人となる形式をとり,販売会社がそのまま売買目的物の所有権を留保することで,主債務者が債務を履行しない場合に連帯保証人である販売会社がその債務を履行することにより買主に対して取得する求償権の担保とする類型もあります。




可処分所得額を算出する際の「年齢」の考え方

 民事再生法241条3項の額を定める政令は,文字どおり,給与所得者等個人再生手続きの可処分所得額を計算する基準を定めています。

 同政令は,個人別生活費の額,世帯別生活費の額,冬季特別生活費の額,住居費の額,勤労必要経費の額を,民事再生法241条3項の「一年分の費用の額」と定義した上で,各項目の額を,再生債務者及び被扶養者の各年齢を基準にして詳細に定めています(年齢のほかに,地域や,被扶養者の人数なども基準になっています)。

 上記のように基準となる年齢については,同政令2条2項が「再生債務者が再生計画案を提出した日以後の最初の4月1日における年齢とする。」と規定することから,再生計画案の提出時期が民事再生申立時には決まらないため,可処分所得額,さらには,最低弁済額が確定しないということになります。

 このことは,民事再生の申立時ないし開始決定時に,厳密には履行可能性が判断できないということを意味します。

 この点にき,平成23年9月発行の愛知県弁護士会倒産法問題特別委員会編集の『個人再生申立マニュアル』の62ページでは,「実務上は,再生手続開始の申立てをした日以後の最初の4月1日における年齢を記載すればよい。例えば,1月31日に再生手続開始の申立てをした場合,再生計画案の提出日は4月1日以降となることが予想されるが,その場合に,「翌年4月1日における年齢を記載する」といった配慮をする必要はない。」との記載がなされています。

 現在,『申立の日の翌年4月1日における年齢を記載する』という運用変更が検討されています。




「監視捜査」をめぐる憲法学と刑訴法学の対話

 法律時報の最新号の小特集として,憲法学者の山本龍彦先生,刑訴法学者の笹倉宏紀先生,緑大輔先生の論文が掲載されています。

 問題意識としては,これまでの議論が,捜査活動としての情報の「取得時」の議論に集中するあまり,情報取得後の「蓄積」,「活用」に対する議論・分析が不足していたのではないかという点だと思われます。

 GPS装置による監視捜査の問題や,現に捜査機関が蓄積(データベース化)・活用されている指紋,DNA型,前科・前歴等について議論がなされています。




ろくでなし子著『ワイセツって何ですか』読了

  著者の主張や,著者が今のような活動をするようになった経緯,逮捕時の様子,検事調べの際の待機の状況など非常に分かりやすく書かれています(園子温三さんとの対談もあります)。

  ジュンク堂書店名古屋店では,「芸術」のコーナーに置かれていました。

  刑法175条の「わいせつ」の解釈がどのように議論されていくか興味をもっています。

  司法試験受験生の頃に,長岡義幸著『「わいせつコミック」裁判‐松文館事件の全貌』を読んだことを思い出しました。




文藝春秋5月号購入

 文藝春秋を買ったのは初めてです。

 神戸少年Aの家裁決定全文のほか,堀江貴文氏と前法務省矯正局長西田博氏との対談記事なども載っています。




子の不法行為に対する保護者の監督責任が否定された最高裁判例(平成27年4月9日)

 最高裁ホームページに早速アップされています。

 結論として,保護者の監督責任を否定しています。

 重要な部分は以下の部分でしょうか。

1 責任能力のない未成年者の親権者は,その直接的な監視下にない子の行動について,人身に危険が及ばないよう注意して行動するよう日頃から指導監督する義務があると解される。

2 本件の行為は,通常は人身に危険が及ぶような行為であるとはいえない。

3 直接的な監視下にない子の行動については,ある程度一般的なものとならざるを得ない。

4 通常は人身に危険が及ぶものとはみられない行為によってたまたま人身に損害を生じさせた場合には,当該行為によって具体的に予見可能であるなどの特別の事情が認められない限り,子に対する監督義務を尽くしていなかったとするべきではない。

5 今回の親権者は,危険な行為に及ばないよう日頃から通常のしつけをしていた。

 認知症の高齢者の方が列車に衝突した事故に関する訴訟にも影響しそうです(その際には,直接的な監視下に置くべき義務が認められるか,人身に危険が及ばないという限定が妥当か,通常のしつけ(?)が想定されるかなどが問題になりそうです)。




Jトラストが,クレディア株全部を売却

 平成27年4月1日付で,株式会社Jトラストが,株式会社クレディアの全株式を売却したようです(JトラストHP)。

 クレディアの過払案件対応等に動きがありそうです。




マイナンバー法対応1~悉皆

 『悉皆』は,日常あまり見ない言葉かもしれません。

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(いわゆるマイナンバー法)における重要概念である「個人番号」の特徴の一つとして,『悉皆』性が挙げられています(その他の特徴として,唯一無二性,視認性,基本情報との関連付けが挙げれています。視認性は,住民基本台帳ネットワークとの違いとしても説明されています。)。

 『悉』という字は,「悉く」と書いて「ことごとく」,『知悉』と書いて「ちしつ」と読むのは,法曹関係者は割と多くの方が知っていると思います(法律用語に近いイメージがあります。)。

 『悉皆』という言葉は,「ことごとく」,「すべて」という意味をもち,マイナンバー法に基づき,住民票コードを有する全員に番号が付されることを意味するようです。

 なお,呉服の業界では「シミ抜き」「洗い張り」,「染め替え」から「刺繍直し」「仕立直し」など着物の加工作業全般を指す言葉のようです。

 現在公開されている「ソロモンの偽証」の弁護人役中学生の父親は,『悉皆』という看板を掲げて,着物のシミ抜き作業を行っていました。




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