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高橋宏志教授『個人破産申立て代理人弁護士の成功報酬と免責』

 伊藤眞教授古稀論文集に寄稿されている高橋宏志教授の『個人破産申立て代理人弁護士の成功報酬と免責』を読みました。

 タイトルからほぼすべての弁護士が想像できるとおり,個人破産申立てにおいて,破産者が免責決定を受けた場合に,弁護士が,破産申立てに関する委任契約に基づく着手金とは別に,成功報酬を受領することが,破産法上,弁護士倫理上正当化されるかが議論されています。

 同論文では,免責決定による成功報酬は,仮に財団債権にあたるとしても正当化されないし(法テラスへの立替金償還については,租税債権が非免責債権であることから,問題視されていないようです。),弁護士倫理上も許されないという結論が導かれています(「私見は,研究者の観念論の可能性がある。」との文章もあります)。

 10ページくらいの論文で,この議論の射程が,個人再生申立てに及ぶのかなどについての言及はありません。




『伊藤真と憲法を考える』

 表記の書籍が,日本評論社から出るようです。

 司法試験受験業界で有名で,近年は一人一票訴訟でも活躍されている伊藤真弁護士が,憲法学者の水島朝穂先生,浦部法穂先生,森英樹先生と,憲法の重要テーマについて対談する形式のようです。

 伊藤真弁護士には,旧司法試験の論文試験の会場だった早稲田大学で,声をかけてもらったことがあります。




最高裁平成27年3月10日判決に対する国税庁の対応など

 競馬の払戻金が雑所得に当たり,外れ馬券の購入代金を雑所得に対応する必要経費に該当すると判断した最高裁平成27年3月10日判決を受けて,国税庁がコメントを発表しています(国税庁HP)。

 今後の対応として,所得税基本通達34-1の改正と,法令上可能な範囲で是正をするということのようです。

 同最高裁判決では,大谷剛彦裁判官が,①雑所得に当たるとしても,払戻金は当たり馬券によって発生し,外れ馬券はその発生に何ら関係ないという意味で単なる損失以上のものではないから,外れ馬券の購入代金は必要経費には該当しない,②このことは,長期間にわたり多数回かつ頻繁に網羅的な特殊な態様であったとしても変わらないという趣旨の意見を付けています(そのほかに,裁判官出身の最高裁判事らしい判示もあります)。

 一方で,大谷意見は,本件の被告人のような行為について,「ビジネス性を持つ活動」との評価をしているようであり,所得区分として事業所得的な発想をしているようにも読めます(正確には,課税の公平・安定性の見地から,課税対象を明確にする特例措置を設けるべきとの立場のようです。)。




23条照会について判断した高裁判例

 いわゆる23条照会に関する注目すべき高裁判例が出ました。

 23条照会をうまく使うことがポイントになる案件も多いだけに,調査・研究が必要です。

1 愛知県弁護士会が,日本郵便株式会社を相手に,弁護士法23条の2に基づく転居届の照会に対する回答拒否について損害賠償請求をしていた訴訟で,名古屋高裁は,原判決を破棄し,日本郵便株式会社に対し,1万円の支払を命じる判決を下しました。
  原審の名古屋地裁は,弁護士法23条の2に基づく報告義務は郵便法上の守秘義務に優越し,日本郵便の報告拒絶には正当な理由を欠いていることは認めた上で,報告義務と守秘義務との優劣について判断した最高裁判例はないので被告に過失がないという理由で,損害賠償請求については棄却していました。

2 判例時報2243号35頁に掲載された『税理士が弁護士法23条の2の照会に応じて,納税義務者の確定申告書等の写しを提供したことが不法行為を構成するとされた事例』(大阪高裁平成26年8月28日)では,税理士法38条の守秘義務に反し不法行為を構成するものとして,35万円の支払が命じられています(原審の京都地裁では,全部棄却されているようです。)。




今週購入した本

 今週は,以下の本を購入しました。

 刑事事件の取扱いが増えているので,以前と比べると刑事関係の割合が増えています。

・ 中小企業法務の実務(東京弁護士会弁護士研修センター運営委員会編)

・ 法人税の実務Q&Aシリーズ親子関連会社(新日本アーンストアンドヤング税理士法人編)

・ 季刊刑事弁護No.68

・ 新判例から見た刑法第3版(山口厚)

・ 刑事訴訟法の争点(井上正仁・酒巻匡編)

・ 公判前整理手続の実務(庭山英雄・宮崎大輔・寺﨑裕史編著)

・ 虚構の法治国家(郷原信郎×森炎)

・ 検事失格(市川寛)

・ あなたのデータ,「お金」に換えてもいいですか?(日経コンピュータ)

・ 事例に学ぶ相続事件入門(相続事件研究会編)

・ 訴訟の心得(中村直人)

・ 弁護士転ばぬ先の経営失敗談(失敗事例研究会代表弁護士北周士編著)

・ 事務所経営・事件受任のポイント(東京弁護士会編)




住宅資金貸付債権についての異議の留保

 個人再生手続きにおいて住宅資金特別条項を定める場合の住宅資金貸付債権は,再生債権ではないことから,債権調査の対象とならない(小規模個人再生について民事再生法法226条,給与所得者等再生について同法244条)。

 したがって,異議の留保をすることも異議の申述をすることもできません。

 住宅資金特別条項を定めない場合には,異議の留保・申述をすることができます。




適正な立替金償還の確保等について(法テラス愛知)

 法テラス愛知から,愛知県弁護士会会員宛てに,民事法律扶助立替金償還の確保等及び運用変更等の通知がありました。

 立替金償還の運用変更の一つとして,『③事件の相手方等から受領した金銭について,受任者が所長決定を経ないまま被援助者に渡した場合』の精算法について,受任者が預かっていることを前提に精算方法を決定し,受任者に返金を求める場合があるとの記載があります。

 その他には,償還口座がゆうちょ銀行以外にも選択できるようになったこと,連続5か月滞納した被援助者については原則新たに利用できないこと等が変更点として挙げられています。




スカイマークの監督委員

 スカイマーク株式会社が民事再生の申立てをして,監督委員に多比羅誠弁護士がついたようです。

 民事再生を申し立てた理由の一つに,平成26年1月ころから始まった急激な円安の進行が挙げられています(民事再生手続開始の申立て及び資金支援等に関するお知らせ)。




大学教授の辞めさせ方

 大内伸哉神戸大学教授が,ジュリスト1476号56頁で書かれています。

 法科大学院専属,かつ,組合の委員長である教授を,どう辞めさせるかという法律論を,理論的な問題・実務上の扱い等について触れながら,ストーリー仕立てで議論が展開されています。

 解雇規制についての大内先生の提言もなされています。

 時事ネタをうまく織り込ませていて,最後の『エピローグ』まで,読み物としても楽しめます。




最高裁判決2014-弁護士が語る

 法学セミナー2015年2月号で,標記の特集が組まれています。

 内容としては,2014年に出された最高裁判決について,担当弁護士が,判決文に表れない事件の背景等を含めて解説するもので,法学セミナー2月号で毎年掲載されている企画です(同特集を読むために,毎年法学セミナーの2月号は購入しています。)。

 今年は,

① 阪急トラベルサポート事件(最高裁平成26年1月24日判決)

 ~鴨田哲郎弁護士

② 投資信託解約金相殺事件(最高裁平成26年6月5日判決)

 ~渡邉一平弁護士

③ 沖縄密約情報公開訴訟(最高裁平成26年7月14日判決)

 ~小町谷育子弁護士

④ DNA鑑定と親子関係不存在確認請求事件(最高裁平成26年7月17日判決)

 ~小林史人弁護士

⑤ 外国人の生活保護訴訟(最高裁平成26年7月18日判決)

 ~瀬戸久夫弁護士

⑥ 宮崎家族3人殺害事件(最高裁平成26年10月16日判決)

 ~黒原智宏弁護士

⑦ 泉南アスベスト訴訟(最高裁平成26年10月9日判決)

 ~八木倫夫弁護士

の各最高裁判例についての解説がなされています。




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