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休職事由が消滅しない場合の手続き~解雇か当然退職か

 休職期間満了時までに休職事由が消滅しない場合、就業規則上、解雇とする方法と当然退職とする方法が考えられます。

 解雇は使用者の一方的とはいえ意思表示が介在する一方で、当然退職の場合には労使双方とも特段の意思表示を要しないという違いがありますし、解雇の場合には解雇予告手当のほか、社会通念上相当な理由が求められることになります。

 実務上は、当然退職としておくことが推奨されているようです。




弁護人依頼権の教示義務(刑事訴訟法改正)

 平成28年12月1日から,刑訴法の改正により,弁護人選任権告知の際に弁護士,弁護士会等を指定しての申出方法及び申出先の教示義務を,司法警察員,検察官,裁判官に課すことになっています。

 各弁護士は,被疑者弁護をする際に,被疑者に対して弁護人依頼権が法律どおりに教示されたのか,その教示の意味を被疑者が理解したのかを確認することが求められます。

 弁護人依頼権の教示が適切になされていない事案の場合には,弁護人依頼権の侵害となる可能性があり,供述証拠の証拠能力を争ったり,国家賠償請求をすべき場合も想定されます。




京都府風俗案内所を規制する条例が憲法22条1項,憲法21条1項に違反しないとされた事例(最高裁平成28年12月15日判決)

 一審京都地裁では、違憲判決が下され、注目されていた事件の最高裁判決です(最高裁ホームページ)。

 「風俗案内所の特質及び営業実態に起因する青少年の育成や周辺の生活環境に及ぼ す影響の程度に鑑みると,本件条例が,青少年が多く利用する施設又は周辺の環境に特に配慮が必要とされる施設の敷地から一定の範囲内における風俗案内所の営業を禁止し,これを刑罰をもって担保することは,公共の福祉に適合する上記の目的達成のための手段として必要性,合理性があるということができ,風俗営業等の規 制及び業務の適正化等に関する法律に基づく風俗営業に対する規制の内容及び程度を踏まえても,京都府議会が上記の営業禁止区域における風俗案内所の営業を禁止する規制を定めたことがその合理的な裁量の範囲を超えるものとはいえない」として憲法22条1項に反しないと判示し、「風俗案内所が青少年の育成や周辺の生活環境に及ぼす影響の程度に鑑みれば,風俗案内所の表示物等に関する上記の規制も,公共の福祉に適合する上記の目的達成のための手段として必要性,合理性があるということができ,京都府議会が 同規制を定めたことがその合理的な裁量の範囲を超えるものとはいえない」として憲法22条1項に違反しないと判示しています。

一審の京都地裁は,以下のような判示をしていました。

 一般に風俗案内所が,利用者を呼び込むために,享楽的,歓楽的雰囲気を醸し出すものであること,違法に性的役務を提供する店舗と結びつきがちなものであることは明らかであり,とりわけ,自らが行う風俗案内につき対価を収受しない風俗案内所においては,通行人等にとって,そこに立ち入ることについての心理的抵抗が少なく,不特定多数の利用者が訪れることが容易に推察され,当該風俗案内所の建物がガラス張り等である場合にはなおさらのことであり,心理的抵抗の少なさは,青少年にとっても同様であると解される。

 しかし,それをもって,接待飲食等営業に関する情報を提供する方法での風俗案内所の営業が公共の福祉に対してもたらす弊害が,風俗営業所における接待飲食等営業がもたらす弊害よりも大きいとはいうことはできない。

 第3種地域における風俗案内所による営業の禁止区域を設定するに当たり,接待飲食等営業に係る情報提供と性風俗関連特殊営業に係る情報提供とを区別せず,両者についての営業を,一定の区域内では全面的に禁止することとした上で,その区域について,風俗営業所に対する保護対象施設の敷地からの距離制限(最大70m)よりも大きな距離制限(200m)を採用することについても,明確な根拠を認めがたい。




弁護士バッジの留め具を紛失した場合の対応

 愛知県弁護士会,岐阜弁護士会で確認した情報ですが,弁護士バッジの留め具部分を紛失した場合,弁護士会で留め具部分のみであれば,特段の申請なく交付してもらえます。




著作権判例百選第5版

 入手しました。

 各論考は2015年11月刊行を予定し前月までに校正を終えていた物ということです。

 係争上の理由で刊行の見合わせを余儀なくされていたが,ようやく刊行できた旨の記載もあります。

 最高裁判例は,最高裁平成24年1月17日判決まで,高裁は,知財高裁高裁平成27年4月14日判決(トリップ・トラップ事件)までが掲載されています。




模倣商品の善意取得者の保護

 不正競争防止法2条1項3号は、いわゆるデッドコピーを規制する規定です。

 その適用除外として、同法19条1項5号イで、日本国内における最初の販売から3年が経過した商品の形態について、同じく19条1項5号ロで商品の善意取得者について規定しています。

 後者の規定により、その譲り受けの際にその商品が模倣商品であるを知らず、かつ知らないことについて重大な過失がない場合にはその者がその模倣商品を譲渡等することが許されるということになります。




みなし成功報酬特約とは

 委任契約のなかで「依頼者が弁護士の責によらない事由で解任し、又は無断で取下げ、放棄、和解等をなし事件を終了させ、若しくは委任事務の遂行を不能ならしめたときは、委任の目的を達したものとみなし、弁護士は依頼者に対して報酬の全額を請求することができる」と規定することがあり、これを一般にみなし成功報酬特約というようです(「弁護士の経験学」37頁)。

 みなし成功報酬特約については、旧報酬規程に定めがあり、委任契約書に規定する弁護士も相当いるようであり、また、複数の裁判例もあるようですので、事務所の委任契約に導入するかも含めて分析する価値がありそうです。




平成29年1月1日施行改正育児介護休業法の概要

 平成29年1月1日,改正育児介護休業法が施行されますが,主な改正点は以下のとおりです。

1 介護休業の分割取得

  改正前:対象家族1人につき通算93日まで,要介護状態ごとに1回

  改正後:対象家族1人につき通算93日まで,3回までを上限とする

2 介護休暇及び子の看護休暇の半日単位取得

  改正前:1日単位

  改正後:半日単位も可

3 介護短時間勤務を介護休業と分離,3年間に2回以上利用可とする

  改正前:介護休業と通算して93日以内

  改正後:介護休業とは別に,利用開始から3年間に2回以上利用可

4 介護所定外労働免除の新設

  改正前:制度なし

  改正後:従業員の申出に基づき,所定外労働を免除

5 有期契約労働者の育児休業・介護休業の取得要件緩和

  改正前:①勤続1年以上,②子が1歳に達する日(介護休業開始予定日から93日)を超えて引き続き雇用されることが見込まれること,③子が2歳に達する日までの間(93日経過日から1年を経過するまでの間)に更新されないことが明らかである者を除く

  改正後:①勤続1年以上,②子が1歳6か月に達する日までの間(93日経過日から6か月を経過するまでの間)に労働契約が満了することが明らかでない者

6 介護休業等の対象家族の範囲拡大

  改正前:配偶者,父母,子,配偶者の父母,同居かつ扶養している祖父母,兄弟姉妹及び孫

  改正後:配偶者,父母,子,配偶者の父母,祖父母,兄弟姉妹及び孫

7 育児休業等の対象となる子の範囲拡大

    改正前:法律上の親子関係である実子・養子

  改正後:特別養子縁組の監護期間中の子,養子縁組里親に委託されている子を追加

8 マタハラ・パタハラ防止措置の新設

  改正前:規定なし

  改正後:事業主は,上司,同僚が妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由として就業環境を介することを防止する措置を講じる義務を負う

9 派遣先へのマタハラ・パタハラ防止措置,不利益取扱禁止規定の適用

  改正前:規定なし

  改正後:自社従業員だけでなく,派遣社員についても措置を講じる義務を負う




ゲスト痴漢えん罪経験者

 話題のNHKねほりんぱほりんの次回は、「痴漢えん罪経験者」とのことです(NHKホームページ)。

 その次が「元薬物中毒者」ということで、弁護士が興味をもつテーマがつづきます。




今日買った本(講義刑法学・各論ほか)

・ 井田良「講義刑法学・各論」(有斐閣)

 はしがきには,「学生のための学習書・自学自習書としての性格を強めたつもり」「ほとんどの論点において判例および裁判実務の考え方にしたがっており」「『講義刑法学・総論』と比べて教科書としてよりオーソドックスな本になったと思う」という記載があります。

 性犯罪の保護法益の実体について,「身体的内密領域」という概念を設定して論じています。

・ 高中正彦弁護士ほか「弁護士の経験学~事件処理・事務所運営・人生設計の実践知」(ぎょうせい)

 弁護士として仕事をしていくなかで,気をつけるべきポイントが凝縮されている内容です。

 類書は多いですが,興味深い指摘が多くあります。

 「自由と正義」が,すべての裁判所・検察庁の他,全国の大学法学部,法科大学院,隣接士業団体に送付されているという記載もありました。

・ 労働判例百選〔第9版〕

 百選に近づくべく第8版から10件収録数を削減し,第8版とは全て異なる方が執筆しているとのことです。

 山梨県民信用組合事件(最高裁平成28年2月19日判決),社会医療法人天神会事件(福岡高裁平成27年1月29日判決),ニヤクコーポレーション(大分地裁平成25年12月10日判決)まで掲載されています。




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