下請法改正で導入される従業員基準
2025年12月20日 21:22
2026年1月に施行される下請法改正において、従来の資本金基準に加えて、新たに従業員数の基準が導入されることになりました。この改正により、下請法の適用対象が拡大し、多くの企業が親事業者として規制の対象となることが予想されています。従来の下請法は、親事業者と下請事業者の区別を資本金で形式的に判断してきました。例えば、製造委託の場合、親事業者の資本金が3億円超で下請事業者が3億円以下であれば適用対象となります。
しかし、下請法の適用を免れるために資本金を操作することも可能であることや、資本金が低くても従業員が多く、会社の規模として大きく、取引の条件交渉に際して有利な立場の企業は存在しており、資本金の基準だけでは不十分な場合が指摘されていました。
そこで、従業員数による基準が追加されることになったのです。
具体的に、製造・建設・運送委託では親事業者が従業員300人超、下請事業者が300人以下(個人事業主を含む)で適用することになり、情報成果物作成や役務提供委託では、親事業者100人超、下請事業者100人以下が基準となります。
従業員基準は、資本金基準が適用されない場合に適用されることとされています。
この従業員は、「常時使用する従業員」で、賃金台帳に記載される正社員、契約社員、パート、アルバイトなど雇用契約のある全労働者を指し、日雇い労働者などは除く、労働基準法に基づく人数でカウントすることとされています。
さらに実務的には、契約締結時、履行の期間などのどの時期を基準とするのか、取引先の従業員数に関する調査義務はどの程度求められるのかなど、会社関係の案件を扱う弁護士としては、対応が悩ましい点が多いという印象です。
改正項目は多岐にわたりますが、「事業者が業として行う販売・請負・修理の目的物たる物品等を取引の相手方に対して運送する行為」を他の事業者に委託することを特定運送委託という概念で対象としたり、手形払いの一律禁止、合意の有無にかかわらず振込手数料を負担させることが禁止される点なども重要です。