退職と解雇の違い
会社が、従業員に辞めてもらうことを検討する局面で、弁護士として相談を受けることが多くあります。
一般的に、退職と解雇の場合についての違いは以下のとおりです。
1 退職(合意)
従業員からの退職届の提出または従業員と会社の合意によって労働契約を解約するもので、以下の類型があります。
⑴ 自己都合退職(労働者側の事情による退職)
ア 失業給付(失業手当)を退職後1か月間は受給できません(「給付制限」)。
イ 引継ぎをし、有給休暇を消化してから退職するのが一般的です。
ウ 会社が雇用関連の助成金を受給するにあたって、不利にならならいとされています。
⑵ 会社都合退職(会社からの働きかけによる退職)
ア 失業手当の給付制限はなく、自己都合退職よりも受給できる金額が有利になる場合があります。
イ 引継ぎをし、有給休暇を消化してから退職するのが通常です。
ウ 退職日から一定期間、会社は雇用関連の助成金を受給できなくなります。
2 普通解雇(会社から一方的に労働契約を解除すること)
⑴ 解雇には、一般的に以下のリスクがあるといわれています。
ア 解雇された従業員が、労基署や弁護士、労働組合等に相談に行き、解雇の有効性を争う可能性があります(退職の場合にも争われる可能性はあります。)。
イ 裁判所は、解雇の有効性を厳格に判断する傾向にあり、裁判所が解雇が無効であると判断すると、会社は従業員を復職させ、解雇したとされる日以降の賃金を支払う必要があります。
⑵ 手続き等の留意点は以下のとおりです。
ア 解雇の通知当日に労働契約を解除する場合は、同時に平均賃金30日分の解雇予告手当を支払う必要があります。
解雇予告手当を支払わない場合は解雇日(労働契約を解除する日)の30日前に予告が必要で、解雇予告手当として支払った平均賃金の日数分だけ、予告期間が30日から短縮されます。
イ 失業給付(失業手当)の給付制限はなく、自己都合退職よりも受給できる金額が有利になる場合もあります。
ウ 従業員は、解雇日以降は有給休暇を取得することはできません。
エ 解雇日から一定期間、会社は雇用関連の助成金を受給できなくなります。
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