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労働者に対するプライバシー侵害が問題となった所持品検査の裁判例

  労働者に対するプライバシーが問題となる論点として所持品検査の適法性があります。

  就業規則には、所持品検査について規定されていることが通常であり、具体的な場面において、その裁判例を参照するべき場合もあります。

  以下のようなある裁判例の要約のとおり、要するに、窃盗や横領等が疑われた事案であることが典型例であることは、弁護士として注意しておいて損はないと思います。 

 会社においては、業務上金品を取り扱う従業員に対し、対象従業員の出勤時及び退勤時に、自身が所持している物(財布、バッグ、ポケット等)の中身を開示させ、その内容を所持品検査・出退社記録簿に記載させ、上着やポケットの中身を示させるといった態様の所持品検査が行われており、その様子が設置されている防犯カメラの撮影範囲に入ることがあることが認められるが、その目的は、現金などの貴重品を扱う機会の多い業務に従事する従業員が、貴重品の紛失、盗難等の事案が発生した場合に、身の潔白を証明する機会を保証するというものであり、正当な目的であるといえ、そして、所持品検査の様子が、設置されている防犯カメラの撮影範囲に入ってしまうことがあるとしても、防犯カメラの設置目的も鍵保管庫や回収物の送達準備を行う作業場を撮影・記録するといった正当なものであることからすると、やむを得ないものといえること等から、仮に元従業員が所持品検査の際に不快と感じたことがあったとしても、これをもって慰謝料をもって慰謝するべく精神的苦痛が生じたということはできないとして、当該従業員の請求が棄却されています。