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公益通報者保護法の概要

1 公益通報者保護法の保護に関する類型

⑴ 内部公益通報(いわゆる1号通報)

  労働者による役務提供先等への公益通報

  通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていることを「思料」

⑵ 2号通報

  労働者による権限を有する行政機関への公益通報

  一定の書式により通報すること、若しくは、通報対象事実が生じ又はまさに生じようとしていることを「信ずるに足りる相当な理由」(真実相当性)

⑶ 3号通報

  労働者による、報道機関、消費者団体、労働組合などの外部への公益通報

  ①真実相当性があり、②公益通報者保護法3条3号に定める特定事由に該当すること

※ 役員である公益通報者について、公益通報者保護法6条各号に定めあり

2 他の法令による保護

⑴ 労基法104条 事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。②使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。

⑵ 労働契約法16条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

⑶ イビデン事件最高裁判決の概要(名古屋高裁の判断を破棄)

 Y社が,法令等の遵守に関する社員行動基準を定め,自社及び子会社である甲社,乙社等のグループ会社から成る企業集団の業務の適正等を確保するための体制を整備し,その一環として,上記グループ会社の事業場内で就労する者から法令等の遵守に関する相談を受ける相談窓口を設け,上記の者に対し,上記相談窓口に係る制度を周知してその利用を促し,現に上記相談窓口における相談への対応を行っていた場合において,甲社の従業員が,上記相談窓口に対し,甲社の元契約社員であって退職後は派遣会社を介してY社の別の事業場内で勤務していたXのために,Xの元交際相手である乙社の従業員AがXの自宅の近くに来ているようなので事実確認等の対応をしてほしいとの相談の申出をしたときであっても,次の(1)~(3)など判示の事情の下においては,Y社において上記申出の際に求められたXに対する事実確認等の対応をしなかったことをもって,Y社のXに対する損害賠償責任を生じさせることとなる信義則上の義務違反があったとはいえない。(1)上記体制の仕組みの具体的内容は,Y社において上記相談窓口に対する相談の申出をした者の求める対応をすべきとするものであったとはうかがわれない。(2)上記申出に係る相談の内容は,Xが退職した後に上記グループ会社の事業場外で行われた行為に関するものであり,Aの職務執行に直接関係するものとはうかがわれない。(3)上記申出の当時,Xは,既にAと同じ職場では就労しておらず,上記申出に係るAの行為が行われてから8箇月以上経過していた。