名古屋市の弁護士 森田清則(愛知県弁護士会)トップ >> 債権法改正 >> 催告によらない契約の一部解除と代金減額請求権の要件

催告によらない契約の一部解除と代金減額請求権の要件

1 催告によらない解除一般について、民法542条に定められており、同条1項1号から5号は以下のとおり要件を定めています。

一 債務の全部の履行が不能であるとき。

二 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

三 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。

四 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達成することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。

五 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。

2 また、契約の一部解除について同条2項が以下のとおり定めています。

一 債務の一部の履行が不能であるとき。

二 債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

3 一方、債権法の改正で明文化された売買契約の代金減額請求権について、民法563条が定めており、同条2項が催告によらない代金減額請求権を以下のとおり定めています。

一 履行の追完が不能であるとき。

二 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。

三 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、売主が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。

四 前3号に掲げる場合のほか、買主が前項の催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。