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改正民法、改正労働基準法前後の残業代の消滅時効期間

1 令和2(2020)年4月1日以前に発生した残業代は2年で時効消滅し、令和2(2020)年4月1日以降に発生した残業代は3年で時効消滅します(民法及び労働基準法が改正されたことによります)。
 なお、「裁判上の請求」を行わなくても、口頭あるいは書面で残業代の請求をすれば6カ月間は消滅時効の完成が猶予されます。
 消滅時効は、毎月の給与支払い日ごとに期間の経過とともに消滅することから、消滅時効にかかる可能性のある期間の残業代について、弁護士は、消滅時効が完成しないよう法的措置をとるか、消滅時効が完成しないように書面による残業代の承認を求めたり、合意による消滅時効の完成猶予の対応を検討することになります。
2 残業代請求における「裁判上の請求」は、一般的に、「労働審判」と「訴訟」が考えられます。
⑴ どちらも裁判所で行われる手続きですが、早期解決を求める場合は労働審判を,法律論、事実認定をを厳密に審理するのが訴訟手続きと一般的に考えられています。
 訴訟の場合,こちら側が譲歩することにより早期に和解することもありますが、判決が出るまでには1年から1年半程度,場合によってはそれ以上かかることもあります。
⑵ 訴訟の場合は,未払いの残業代があると判断された場合には、裁判所の判断で、法律上その額を上限とする付加金の支払いが命じられることがあります。