井田良先生「死刑制度の存廃をめぐってー議論の質を高めるために」
判例時報2428号151ページに掲載されています。
井田先生自身は,死刑廃止論に与しているとのことですが,死刑存置論,廃止論のいずれかの立場に立つのではなく,「議論の質を高めるために」それぞれの論拠について議論をしている論文です。
具体的には死刑の一般予防効果,被害感情,誤判の可能性などについて,検討されています。
また,死刑制度の運用については,存置論,廃止論いずれの立場からも合意形成が可能という立場から,具体的な提言もなされており,弁護士としては一読しておく必要があると思います。
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