個人根保証に関する規律の対象
改正民法465条の2第2項は、「一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約」を根保証契約と定義し、書面又は電磁的記録で「極度額」を定めなければ無効と定めています。
立法担当者の解説では、不動産の賃借人が賃貸借契約に基づいて負担する債務の一切を個人が保証する場合、代理店等を含めた取引先企業の代表者との間で損害賠償債務や取引債務等を保証する場合、介護等の施設への入居者の負う各種債務を保証する場合が挙げられていますが、「一定の範囲に属する不特定の債務」に該当する債務に該当するものが多数あるものと考えられます。
弁護士としては、該当しそうな契約について、その類型に応じて、限度額をいくらに設定するかの検討も求められることになります。
取引基本契約に基づいて継続的取引を行っている場合には(このような取引に基づいて発生する債務は、「一定の範囲に属する不特定の債務」に該当するものと考えられます。)、取引残高が極度額を超えるとその超過部分は保証の対象外となることから、取引残高の確認がより一層求められることになります。
- 次の記事へ:取得時効に基づく一時所得の年度帰属
- 前の記事へ:事業場外労働みなし制の考え方