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信託能力を考える視点

 いわゆる民事信託・家族信託を設定する場合,委託者の判断能力,すなわち,信託を有効に設定する能力があるかについての検討が必要となります。

 基本的な発想としては,信託の内容に応じて,遺言能力を判断する際の要素が参考にされるべきです。

 弁護士が遺言能力を検討する際に参照することの多い, 土井文美裁判官の「遺言能力(遺言能力の理論的検討及びその判断・審理方法)」(判 タ1423号・15ページ~)では,① 遺言者の年齢 ② 病状を含めた心身の状況及び健康状態とその推移 ③ 発病時と遺言時との時期的関係 ④ 遺言時及びその前後の言動 ⑤ 日頃の遺言についての意向 ⑥ 受贈者との関係 ⑦ 遺言の内容 等の要素を評価根拠事実と評価障害事実とに分類した上で総合考慮して判断するとされています。