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団体交渉の参加人数を理由に団体交渉を退席することが不当労働行為に該当するか

 判例時報2385号84頁で,東京地裁平成30年1月29日判決が紹介されています。

 タイトルは,「団体交渉への参加人数に係る求めに応じない限り団体交渉の議題に入らないとし,右求めに係る労働組合側の質問に回答せず,最終的に団体交渉を退席した使用者側の各対応が,団体交渉拒否の不当労働行為に当たると判断された事例」となっています。

 「団体交渉に出席する者の人数を何名とするのか(これと密接に関連するものとして誰を出席させるのか)という事柄は,第一次的には,団体交渉に当たるそれぞれの当事者(労働組合及び使用者)においてする自主的な判断に委ねられるべき性質のものである。もとより,団体交渉のルールを当事者双方による協議によって作ることは望ましいものと考えることができるから,原告において,団体交渉の相手方である被告補助参加人に対し,組合側出席者の人数を7名以内にするように求めることや,その協議を求めること自体は許されるとしても,被告補助参加人が当該人数の制限の求めをそのまま応諾しなかったからといって,それを理由に団体交渉の議題に入らないとの態度をとることは,当該求めの内容とされる出席者の人数の制限についての客観的な必要性及び合理性を勘案し,当該求めが相当であると認められるものであるといった特段の事情のない限りは,許されるものではないものというべきである。」と判示しています。

 実際に団体交渉の参加人数をどのように決めるかは悩むこともあり,参考になる裁判例だと思います。