任意後見契約の法定後見に対する優先性
任意後見契約が公正証書により作成されその旨の任意後見についての登記がなされている場合、法定後見の申立ては、「本人の利益のため特に必要があると認めるときに限り」、法定後見の開始の審判をできることとされています(任意後見契約に関する法律10条1項)。
任意後見監督人の選任後法定後見が開始された場合には、任意後見契約は終了しますが(任意後見契約に関する法律10条3項)、任意後見監督人選任前に法定後見の開始の審判がなされた場合には当然には任意後見契約は終了しません。
法定後見開始後に任意後見監督人選任の申立てがあった場合には、原則として任意後見監督人が選任され後見開始の審判は職権で取り消されることになりますが(任意後見契約に関する法律4条2項)、本人の利益のため特に必要であると認められる場合には、任意後見監督人の選任はされず(任意後見契約に関する法律4条1項2号)、法定後見が継続されることになります。
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