名古屋市の弁護士 森田清則(愛知県弁護士会)トップ >> 債権法改正 >> 消費貸借の借主が期限前弁済した場合の規律

消費貸借の借主が期限前弁済した場合の規律

 消費貸借における返還時期の定めは、通常、借主の目的物の返還を猶予するもので、借主に返還時期まで借り続ける義務を負わせるものとは考えられていません。

 また、借主が返還時期の前に目的物を返還すること自体を否定する必要はないとも考えられます。

 そこで、改正民法591条2項は、借主が返還時期の定めにかかわらずいつでも目的物を返還することができることを定めつつ、同条3項が返還時期の前に目的物を返還したことによって貸主が現実に損害を受けた時の損害賠償請求権を認めています。

 損害が現実に生じているとして返済時期までの利息相当額を請求できるかについては、個々の事情を踏まえて判断されるものと考えられます。