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債権者代位行権行使時に債務者の管理処分権が制限されないことの意味

 改正民法423条の5は、債権者代位権が行使されても、被代位権利についての債務者の処分権限は制限されない旨明示しています。

 このことから、第三債務者は、債権者代位権が行使されても被代位債権について債務者に弁済することも当然認められる(同423条の5後段)。

 さらに、改正民法423条の6は、債権者代位訴訟提起の際に債務者への訴訟告知が義務付けていますが、訴訟告知後も債務者の処分権限は制限されないことから、債務者は第三債務者に被代位債権について請求をすることもできますし、第三債務者は債務者への弁済を有効に行うことができます。

 加えて、債権者代位訴訟において代位債権者への直接支払いを命じる判決が確定した場合においても、債務者は第三債務者に被代位債権について請求をすることもできますし、第三債務者は債務者への弁済を有効に行うことができることになります。

 なお、訴訟告知がなされなかった場合には、訴訟告知を訴訟要件と考えれば、訴えを却下するべきであると考えられます。