事業場外みなしと裁量労働制のみなし時間の違い
事業場外労働についての労働時間のみなし時間は,基本的な発想としては,できるだけ実労働時間に近い労働時間をみなすことが求められています。
このことは,「当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす」という規定にあらわれています。
一方,同じ「みなし」であっても,裁量労働制のみなし労働時間は基本的な発想が異なります。
条文では,「対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間」をみなすものとし,その設定が労使協定の当事者にゆだねられています。
これらのことから,裁量労働制におけるみなし時間は,実労働時間とは切り離された労働時間を想定している制度ということができます。
裁量労働制には,専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制が現行労基法上認められており,弁護士の業務は,専門業務型裁量労働制の適用をうけることができる旨定められています。
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