司法取引合意からの離脱
司法取引の合意を行った当事者が合意に反した場合には,その相手方はその合意から離脱することができます(刑事訴訟法350条の10第1項1号)。
さらに被告人の立場からは,合意の当事者ではない裁判所の以下の行為により,合意から離脱することができる旨定められていますが,このような事態も想定しつつ弁護方針を決めるのは非常に難しいことが容易に想像できます。
⑴ 検察官が合意に基づいて訴因・罰条変更等の請求をしたにもかかわらず裁判所が許さなかった場合
⑵ 検察官が合意に基づいて求刑をしたにもかかわらず裁判所が求刑よりも重い刑を言い渡した場合
⑶ 検察官が合意に基づいて即決裁判手続の申立てをしたにもかかわらず裁判所がこれを却下した場合
⑷ 検察官が合意に基づいて略式命令をしたにもかかわらず裁判所が通常の規定に従い審判をすることとした場合,または検察官が正式裁判の請求をした場合