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生命保険金と損益相殺

 不法行為の被害者が同じ不法行為により利益を受けた場合、その利益を控除して損害額を算定することを、損益相殺といいます。

 いわゆる差額説からは当然の帰結と説明されることもありますが、被害者は原状より利得してはならないという理念や、加害者と被害者の公平の確保の観点も必要と考えられます。

 生命保険金については、その保険金の支払いは不法行為とは別個の保険契約に基づいてなされるものであること、保険金はすでに払い込まれた保険料の対価であること、生命保険金が損害の填補を目的とするものではないこと等から、損益相殺の対象とはならないと一般に考えられています。