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「司法取引に弁護士はどう対応すべきか」秋田真志弁護士

 法学セミナー2018年1月号に、刑事弁護で著名な秋田真志弁護士の「司法取引に弁護士はどう対応すべきか」という論文が掲載されています(同号では、「日本型司法取引とは何か」という特集が組まれています。)。

 秋田弁護士は、弁護士の関与する場面として、①検察官の「協力者」の弁護人の立場、②刑事訴訟法350条の2第1項の定める「他人の刑事事件」にいう「他人」すなわち捜査機関の「標的」となる人の弁護人に分けて、議論を進めます。

 まず確認しておくべきことは、司法取引の対象となるのは、刑事訴訟法350条の2第2項に定める「特定犯罪」に限定される点だと思います。

 秋田弁護士は、汚職犯罪、経済犯罪や薬物・銃器犯罪等が中心という整理をされています。

 秋田弁護士も強調していますが、司法取引が正式に導入されて以降のいわゆる弁護実践が非常に重要だと思います。

 「引き込み」の問題以外に容易に思いつくものだけでも、弁護人の守秘義務や最善義務の問題、共犯者間の利益相反の問題など、刑事弁護の基本的な問題について、個別ケースでどのように対応するべきか非常に悩ましい場面に出くわすことは避けられないでしょう。