被相続人の生前贈与契約に基づく相続人の所有権移転登記手続は「保存行為」か「処分」か
被相続人が行った不動産の贈与契約について、被相続人が亡くなった後、相続人が当該契約に基づき所有権移転登記手続きを行った場合、「保存行為」にとどまるといえるか。
「保存行為」にとどまると評価されれれば相続放棄手続をすることができますが,「処分」と判断されれば単純承認事由ありということで有効に相続放棄手続きができないということになります。
東京地裁平成28年8月24日判決(判例タイムズ1433号211頁)は、既に発生している所有権移転登記義務の履行にすぎないということはできず、「処分」にあたると判断しています。
当該判例は、弁護士の説明義務違反を肯定したものとしても参考になります。
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