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陳述書等の新証拠が無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たるとして再審開始の決定をした原審の手続に審理不尽の違法があるとされた事例

 最高裁平成29年3月31日決定です(平成28(し)639 再審請求棄却決定に対する即時抗告の決定に対する特別抗告事件 )。 

 新証拠として提出された陳述書の内容の内,離婚を有利に進めるために事件をねつ造したとする請求人の主張とは必ずしも整合していない点があること,いかにも唐突で不自然な感を免れないところがある点,「医師からは最初,何も異常がないので診断書に書くことが無いというようなことを言われました。ですが私は,この時,どうしても診断書が欲しいと思っていましたので医師に離婚のために使いたいということを伝えて,何とかして診断書を書いてくれるよう頼んだところ,結局裁判でも使われた診断書を作ってもらうことができました。」とする裏付けのないままではたやすく信用し難い内容が含まれている点などをふまえ,『証人尋問や請求人の本人尋問等を行わないまま,本件陳述書の信用性は相当に高いなどと評価し,新証拠が請求人に対し無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たると判断した原審の手続には,新証拠の信用性,とりわけ本件陳述書の作成経緯・過程の吟味を怠った点において,審理不尽の違法があるといわざるを得ない。』として,差し戻しの判断がなされています。