同時廃止事案の免責手続において,破産の申立ての13年以上前にした建物等の譲渡が破産法252条1項1号に該当し,裁量免責も相当でないとして免責を不許可とした原審の判断が維持された事例
判例タイムズ1407号109頁に,「同時廃止事案の免責手続において,破産の申立ての13年以上前にした建物等の譲渡が破産法252条1項1号に該当し,裁量免責も相当でないとして免責を不許可とした原審の判断について,破産管財人による調査結果及び意見を考慮することができない同時廃止事案においては,判断の資料が限られる点も考慮し,これを維持した事例」として,東京高裁平成26年7月11日決定が掲載されています(裁判長は,園尾隆司裁判官です)。
破産裁判所の同時廃止決定に対して破産債権者が即時抗告したり(棄却決定),破産裁判所が一旦免責許可決定を出した後に再度の考案により免責不許可決定を出したという経緯もあるようです。
弁護士が扱う破産事件で,免責不許可事由のない案件の方が珍しいと思いますので,注目すべき判例といえるでしょう。
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