おとり捜査について
最高裁平成16年7月12日判決は,おとり捜査について,「捜査機関又はその依頼を受けた捜査協力者が,その身分や意図を相手方に秘して犯罪を実行するように働き掛け,相手方がこれに応じて犯罪の実行に出たところで現行犯逮捕等により検挙するもの」と定義しています。
同最高裁は,さらに,「少なくとも,直接の被害者がいない薬物犯罪等の捜査において,通常の捜査方法のみでは当該犯罪の摘発が困難である場合に,機会があれば犯罪を行う意思があると疑われる者を対象におとり捜査を行うことは,刑訴法197条1項に基づく任意捜査として許容される」としています。
おとり捜査の対象となる典型的な犯罪は,上記判例でも問題となったいわゆる薬物犯罪や銃器犯罪ですが,その他の犯罪類型でも許容される場合は想定されます。
なお,弁護士になっておとり捜査に関する相談を数件受けましたが,すべて売春防止法に関するものでした。
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