刑事損害賠償命令
犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第17条1項は,損害賠償命令について以下のとおり規定しています(損害賠償命令は,被害者側の代理人弁護士になった際に検討することが多いと思います)。
『次に掲げる罪に係る刑事被告事件(・・・)の被害者又はその一般承継人は,当該被告事件の係属する裁判所(地方裁判所に限る。)に対し,その弁論の終結までに,損害賠償命令(・・・)の申立てをすることができる。
一 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪又はその未遂罪
二 次に掲げる罪又はその未遂罪
イ 刑法 (明治四十年法律第四十五号)第百七十六条 から第百七十八条 まで(強制わいせつ,強姦,準強制わいせつ及び準強姦)の罪
ロ 刑法第二百二十条 (逮捕及び監禁)の罪
ハ 刑法第二百二十四条 から第二百二十七条 まで(未成年略取及び誘拐,営利目的等略取及び誘拐,身の代金目的略取等,所在国外移送目的略取及び誘拐,人身売買,被略取者等所在国外移送,被略取者引渡し等)の罪
ニ イからハまでに掲げる罪のほか,その犯罪行為にこれらの罪の犯罪行為を含む罪(前号に掲げる罪を除く。)』
以上のとおり,損害賠償命令の対象となる犯罪は限定されており,例えば自動車運転過失致傷死罪等の過失犯は対象外ですし,いわゆる児童淫行罪等も対象外ということになります。
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