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スポンサー選定と雇用関係・労働条件維持

 窮境企業が事業の再建を目指して、あるいは、倒産手続き開始後も事業の再建のために事業譲渡や会社分割、合併等の組織再編が行われることがあります。

 とくに、倒産手続きの場合のその成否は、スポンサー選定にかかっているといえます。

 売主は、できるだけ高い譲渡価格を設定したい、従業員の雇用を最大限維持したいという希望を有しています。

 しかし、通常、雇用確保や雇用条件維持を要求すれば、譲渡価格は下がるという関係にあり相反するものといえます。

 管財人となった弁護士、再生債務者代理人となった弁護士がどちらを重視するべきかは非常に難しい問題です。

 なお、雇用確保・雇用条件維持(ある程度の期間だと思いますが)を条件としたスポンサーがその条件に違反した場合の責任追及は困難と思われます。

(参考文献)

 概説倒産と労働(商事法務 2012)

  倒産法と労働法が交錯する,整理解雇,労働債権等について、弁護士を中心に深く考察されています。また,会社更生手続における整理解雇の有効性が問題となった日本航空事件(東京地判平成24年3月29日)についても触れられています。

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