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施設送致申請(少年法26条の4第1項)

 少年法26条の4は、保護観察を付された場合、保護観察官等による指示に反し、遵守事項に違反することを繰り返す場合について、少年院送致等の施設内処遇を言い渡すことが出来る旨定めています。

 保護観察とは、社会内処遇の一種で、少年を施設に収容することなく通常の生活を営ませながら改善更生の処遇を行うもので、少年の居住地を管轄する保護観察所が行うことが、更生保護法に定められています。

 なお、少年法には、家庭裁判所で審判が開始された後、少年の終局処分を一定期間留保して、調査官に少年を観察させる試験観察という制度もあります。

 具体的な要件は、①保護観察所長から遵守事項を遵守するよう警告を発せられたにもかかわらず、遵守事項を遵守せず、②その程度が重いときに、保護観察所長が、家庭裁判所に対し、本人を施設に送致する決定をするよう求める施設送致申請を行い(更生保護法67条2項)、③家庭裁判所が保護観察の保護処分によっては本人の改善及び更生を図ることが出来ないと認めることです。

 問題となる遵守事項として、例えば、「保護観察に付されたときに保護観察所の長に届け出た住所又は転居することについて保護観察所の長から許可を得た住居に居住すること」があります。

 保護観察の意味に加えて、付添人として活動する弁護士からも、少年に丁寧に説明するべき条項です。