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連帯保証人を仮差押債務者とする仮差押えの考え方

 連帯保証人のみに対する仮差押えの申立てを行うべきかについて,種々の事情から検討することが実務上あり得ます。

 弁護士が扱う企業間の紛争では,すくなくとも従来は,連帯保証人が存在することは珍しくありませんでした。

 連帯保証人には,実体法上催告の抗弁権や検索の抗弁権がないことから,仮差押え手続きの保全の必要性の要件の観点からは,連帯保証人の資力のみを審理の対象にすれば足りるという見解も成り立つと思われます。

 このような見解によれば,疎明資料も少なくて済むことになります。

 しかし裁判所の基本的考え方は,まずは主債務者の資力について一応の調査をすることとしているようです。

 主債務者と連帯保証人双方に対する仮差押えの場合には,主債務者の資産では全額の執行をできなくなる恐れがあることの疎明と,両名に対する債権額が客観的に存在する額を超えないようにすることが求められます。