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瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求権の遅延損害金の起算日

 請負契約の瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求権は、期限の定めのない債権であることから、遅延損害金発生の起算日は催告の翌日であり、催告期間の定めがあるときは期間経過後となります。

 同請求権は、請負代金請求権と同時履行の関係にあることから、請負代金債務が残っているときには、遅延損害金は発生しないことになりますが、相殺の意思表示がなされると、意思表示がなされた日の翌日から遅延損害金が発生することになります(最高裁平成9年7月15日判決)。

 損害賠償として瑕疵修補費用を請求する場合の算定の基準時については,①注文者が請負人に対し瑕疵修補請求をしたが請負人が応じないので修補に代わる損害賠償請求をした場合には修補請求の時であり,②瑕疵修補請求をせずに瑕疵修補に代わる損害賠償請求をした場合には損害賠償請求をした時となります。

 なお,専門的知見を要する建築関係訴訟を適切に遂行するためには弁護士への委任が必要であることから,相当な範囲の弁護士費用については損害賠償の対象とされています。

 損害賠償と弁護士費用の関係については,論究ジュリスト26号に「訴訟による権利回復のための経費と損害として認められる範囲」という記事が参考になります。