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寄与分と特別寄与料における「特別の寄与」

 改正民法により、相続人の配偶者等の相続人ではない者が、被相続人の療養看護に努めるなどの貢献を行った場合に、相続人ではない被相続人の親族が、相続人に対して、貢献に応じた額の金銭の支払いを請求できるという特別寄与の制度が新設されました。

 寄与分における「特別の寄与」とは、被相続人と相続人の身分関係に基づいて通常期待される程度の貢献を超える高度なものと解されています。

 一方、特別寄与における「特別の寄与」は、特別寄与者が被相続人に対して民法上の義務を負わない者も含まれることから、その者の貢献に報いるの相当と認められる程度の顕著な貢献があったことを意味するものと解すべきとされています(「東京家庭裁判所家事第5部(遺産分割)における相続法改正を踏まえた新たな実務運用(家庭の法と裁判号外)」116ページ)。

 特別寄与料の支払いについて当事者間に協議が調わないときや協議ができないときには、特別寄与料を請求する者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができます(民法1050条2項)。

 特別寄与料の請求は、寄与分とは異なり、遺産分割に関する事件が家庭裁判所に係属していなくても家庭裁判所に請求できることとされています。