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取引先の選択と独占禁止法

 事業者が,取引先を自由に選択することは,独占禁止法の保護法益である自由競争経済秩序の基盤として保護されるべきことから,取引拒絶の内,単独の取引拒絶は,原則として,独占禁止法上の問題は生じないと整理されますが,取引拒絶が「不当に」行われると評価された場合には,不公正な取引方法として違法となります(独占禁止法2条9項6号イ,一般指定2項)。

 「不当に」とは,独占禁止法2条9項6号柱書の「公正な競争を阻害するおそれ」を指し,流通・取引慣行ガイドラインは,「独占禁止法法上違法な行為の実効を確保するための手段として取引を拒絶する場合には違法とな」ること,「競争者を市場から排除するなどの独占禁止法上不当な目的を達成するための手段として取引を拒絶する場合には独占禁止法上問題となる。」ことを定めています。