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信託する不動産を登記申請する方法

 信託の設定の方法は,信託法3条に定めのあるとおり,信託契約,遺言信託,自己信託の3つの方法があり,不動産を信託する場合の登記申請の方法も,それぞれの信託の方法により異なります。

 信託契約の場合には,受託者が登記権利者,委託者が登記義務者となって登記申請をすることになりますが,通常の所有権移転登記の申請に加えて,受託者が信託の登記を単独申請するという形式をとることが不動産登記法98条に定められており,法務局に提出すべき書類についても,通常の所有権移転登記の添付書類に加えて,不動産登記法97条に定められている信託に関する情報をまとめた書面も提出する必要があります。

 遺言信託の場合にも,信託契約の場合と同様に所有権移転登記と信託の登記を併せて申請することになりますが,この場合の所有権移転登記については,遺贈による登記申請と同様に遺言執行者の有無により必要とされる手続きが異なります。

 自己信託の場合には,所有権についての権利の変更の登記と信託の登記を併せて申請するという形式をとりますが(不登法第98条③),受託者が登記権利者兼義務者となる点,法務局に提出すべき書類に公正証書(信託法第3条三)が含まれる点などが特徴であり,注意が必要となる点です。

 不動産を信託する際の解説については,いろいろな書籍に記載がありますが,信託を設定する際には,司法書士に依頼することが必要といえます。