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他人に強要(強制)されて犯罪行為を行った場合の法的性質

 他人に強要されて犯罪行為を行った場合には,刑法37条1項本文の緊急避難の要件を満たせば,無罪ということになります。

 拳銃で脅され覚せい剤を使用した事件に関する東京高裁平成24年12月18日判決は,緊急避難の成立を認め,無罪の結論を導いています。

 それでは,強要されて行われた犯罪行為の被害者は正当防衛による対応が可能といえるでしょうか。

 当該犯罪行為が緊急避難により違法阻却されるとすれば正当防衛による対応はできず,緊急避難による対応しかできないことになります。