退職後の時間外手当の遅延損害金利率
時間外労働に基づく賃金請求権(いわゆる時間外手当)の遅延損害金は,商事法定利率である年6パーセントとなることが通常です。
従業員が退職した後の利率については,賃金の支払いの確保に関する法律が定めています。
同法6条1項,同法施行令1条は,退職後の利率について14.6パーセントと規定していますが,同法6条2項は,賃金の支払遅滞が天災地変その他やむを得ない事由で厚生労働省令の定めるものである場合は14.6パーセントの利率を適用しないと規定しています。
具体的には,①天災地変,②事業主が破産手続の開始決定を受けたこと,③支払が遅滞している賃金の全部または一部の存否に係る事項に関し,合理的な理由により,裁判所又は労働委員会で争っていること等が規定されています。
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