司法取引の対象となる「特定犯罪」
6月から改正刑訴法により捜査協力型司法取引制度と刑事免責制度が導入されます。
司法取引の対象となる犯罪は、いわゆる特定犯罪として、限定されています(刑事訴訟法350条の2第2項。あわせて導入される刑事免責制度では、対象となる犯罪に限定はなく、刑事弁護の観点からは、司法取引とは異なる観点からの対策が必要となります)。
刑法犯としては封印破棄、強制執行妨害罪等、文書偽造罪等、贈収賄罪関係、詐欺、背任、恐喝、横領、業務上横領、遺失物横領などがあります。
組織的犯罪処罰法に規定されている犯罪として、強制執行妨害関係、詐欺、恐喝、犯罪収益隠匿、犯罪収益収受があります。
財政経済犯罪に位置づけられる、租税法、独占禁止法、金融商品取引法等の犯罪のうち、政令で定められるもののほか、爆発物取締罰則、大麻取締法、覚せい剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法、武器等製造法、あへん法、銃砲等剣類所持等取締法、麻薬特例法があり、さらに、このような特定犯罪を本罪とする犯人蔵匿、証拠隠滅、証人威迫等が対象となります。
殺人、強制性交等罪などの生命・身体犯と分類される犯罪については含まれず、死刑又は無期の懲役・禁固に該当する罪も除外されています。