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会社分割と競業避止義務

 会社法には,会社分割(会社法757条以下)を行った当事者に競業避止義務が発生するかについて明文の規定はありません。

 しかしながら,会社法21条1項は,事業を譲渡した会社について,別段の意思表示がなければ,譲渡の対象となった事業に関する競業避止義務を負うものと定めています。

 会社分割により承継される権利義務関係が,同条の『事業』に該当するとすれば会社分割が事業譲渡と類似してくるといえそうです。

 そこで,会社分割にも,会社法21条1項を類推適用して競業避止義務を認めるべきという見解も主張されています。

 『事業』該当性の判断は難しいことも多いため,弁護士の対応としては,適用を排除する合意をしておくということになります。