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専門業務型裁量労働制に求められる健康・福祉確保措置

 弁護士の業務もその対象業務となる専門業務型裁量労働制を含めて,裁量労働制におけるみなし時間は,実労働時間数とは切断されたみなし時間制である点で,事業場外労働のみなし時間制とは異なります(荒木「労働法〔3版〕189頁」).

 しかしながら,専門業務型裁量労働制に求められる健康・福祉確保措置をどのように講ずるかを明確にするためには,対象労働者がどの程度の時間在社し労務を提供し得る状態にあったか等の目安として,出退勤時刻を把握することが考えられます。

 その上で,具体的な健康・福祉確保措置としては,

・ 勤務状況及びその健康状態に応じて代償休日又は特別な休暇を付与したり,健康診断を実施すること

・ 年次有給休暇についてまとまった日数連続して取得することを含めて取得を促進すること

・ 勤務状況及びその健康状態に配慮し,必要な場合には適切な部署に配置転換すること

 などが挙げれます。

 なお,対象労働者の専門業務型裁量労働制の適用について必要な見直しを行うことを協定に含めることが望ましいとされています。