拷問と緊急事態の憲法論
論究ジュリスト2015年秋号で,「緊急事態条項」というテーマで,愛敬浩二名古屋大学教授の基調報告と,長谷部恭男早稲田大学教授,駒村圭吾慶応大学教授,宍戸常寿東京大学教授らの座談会の記事が掲載されています。
拷問の許される場合はあるのかという問題設定は衝撃的ですし,緊急事態を論じるにあたっては,その例外的であるべき事態をいかに恒常化させないかといった難しい論点(アメリカ合衆国元大統領の「テロとの戦争には終わりがない」というコメントも紹介されています。)があることも分かりました。
フランスのテロ発生後の動きとして,非常事態宣言,その延長,共謀罪に基づく立件などを耳にしますが,日本国憲法での議論に参考になる内容です。
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