反社会的勢力を巡る判例の分析と展開
暴排条例施行後,反社会的勢力に関する相談もときどきあることから,東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会編著の別冊金融・商事判例『反社会的勢力を巡る判例の分析と展開』(経済法令研究会)を購入しました。
同書は,事件当事者を反社会的勢力であると断定するものではないとのことですが,この分野の判例を網羅的に紹介するものとして,実務上大変役に立つものと思われます,
気になった判例をいくつか紹介します(著名な最高裁判例はあげていません)。
5 入れ墨のある暴力団組長のホテル立ち入り行為に建造物侵入罪の成立を認めた事例
12 反社会的勢力との関係がないことを示す確認書を提出しなかった会社を上場廃止にした事例
16 暴力団員による結婚式・披露宴をホテルが解除した事例
17 暴力団と密接な関係にある者からの生活保護申請を却下した事例
18 コンビニエンスストアが暴力団関係書籍を店頭から撤去した事例
27 近隣における暴力団事務所の存在が土地の隠れた瑕疵に当たるとされた事例
39 暴力団関係企業への融資を巡り,取締役らに特別背任罪の成立を認めた事例
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