給与所得者等再生を選択する際の注意点
個人再生手続きには,小規模個人再生と給与所得者等再生があり,給与所得者等再生には,可処分所得の2年分以上という最低弁済額の要件(民事再生法241条2項7号)があることから,実務上は,再生計画の付議手続きを要するにもかかわらず小規模個人再生を利用することがほとんどです。
しかしながら,上記可処分所得2年分の要件をクリアできる場合でも,以下の規定については注意が必要です。
1 再申立制限
民事再生法239条5項2号は以下の各場合に給与所得者等再生ができない旨を規定しています。
①過去に給与所得者等再生が遂行され,再生計画認可の決定が確定してから7年以内
②過去に再生手続きが行われ,いわゆるハードシップ免責が確定した時の,その免責決定に係る再生計画認可の決定が確定してから7年以内
③過去に破産手続きが行われ,免責許可決定が確定してから7年以内
2 免責不許可事由
破産法252条1項10号ロ及びハは,以下の各場合を免責不許可事由として定めています。
①過去に給与所得者等再生が遂行され,再生計画認可の決定が確定してから7年以内
②過去に再生手続きが行われ,いわゆるハードシップ免責が確定した時の,その免責決定に係る再生計画認可の決定が確定してから7年以内
- 次の記事へ:高山佳奈子京都大学教授の風営法パブコメに対する意見
- 前の記事へ:最高裁,求刑1.5倍裁判員裁判判決を破棄