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巻戻しの場合の競売費用

 金融機関に代位弁済し担保不動産競売の申立てをなされた債務者が,住宅資金特別条項付きの個人再生の申立てを行い認可され,住宅資金貸付債権に係る保証債務の履行がなかったとみなされた場合(いわゆる巻戻し),保証会社の再生債務者に対する競売費用の請求権が共益債権となるか,再生債権となるかは,実務上困難な問題といえます。

 民事再生法119条5号または7号により共益債権に該当するという考え方もあるようですが,理屈としては,再生債権に該当するとする方がしっくりします。

 住宅ローン契約において競売費用を債務者負担とする合意がある場合には,住宅資金特別条項の中に取り込んで処理することも不可能とまでは言えないとする見解もあるようです(この見解では,倒産時以前の契約の効力をどこまで認めてよいかという問題がありそうです。)。

 弁護士が,裁判所と保証会社と協議しながら処理するべき問題と言えると思います。