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破産申立代理人に対する損害賠償請求が認められた裁判例

 判例時報2177号72頁に,「破産申立てを受任した弁護士につき財産散逸防止義務違反が肯定された事例」として,東京地裁平成25年2月6日判決が紹介されています(なお,控訴中のようです。)。

 破産申立てを受任した弁護士は,正式な委任契約締結前であっても相談内容に応じた善管注意義務を負うとしたうえで,依頼者である債務者から短期間に資産・負債等の状況の聴取と財産の確保をする義務(財産散逸防止義務)が法的義務として認められるとしたものです。

 結論の当否は別としても,破産申立てを扱う弁護士は十分検討しておくべき判例です(事実関係が詳細に認定されています。特に,委任契約成立日の認定方法等)。

 類似の問題を扱った東京地裁平成21年2月13日判決も確認しておこうと思います。