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全部取得条項付種類株式の活用方法

 会社の支配権に関する相談は,弁護士業務として多く扱うもののひとつです。

 そのような相談で問題となるのは,株式に関するものです。

 会社法ではさまざまな種類株式が導入されましたが,そのうちの1つに全部取得条項付種類株式があります。

 全部取得条項付種類株式は,実務上,現金による完全子会社化の手法として活用されています。

  典型的な手続きの概略は以下のとおりです。

⑴ 買収会社が対象会社の株式について公開買付を実施する。

⑵ 対象会社の株式に全部取得条項を付ける(前提として種類株式発行会社にする旨の定款変更をする必要がある場合あり)。

⑶ 当該全部取得条項を発動して対象会社が取得する。取得の対価として

  ① 別の種類株式を交付する。

  ② 種類株式の数が1株に満たない端数とする。

⑷ 法令の手続きに従い,端数となった部分を売却して得られた金銭を交付する。

裁判例が多く出ている分野であり,最近弁護士や会社法学者が論文を書いていることから,研究が必要です。