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限定責任信託の意義

 信託契約における受託者は,自らが当事者として履行義務を負うことになりますから,信託財産のみでは履行することができない場合には,固有財産をもって履行する必要があります。

 旧信託法では,受託者の責任を信託財産に限定する制度はなかったため,実務上責任を信託財産に限定したい場合には,個別の信託契約に責任限定特約を定めることにより対応していました。

 改正信託法では,履行責任の範囲を信託財産に限定する限定責任信託という方法が規定されました。

 限定責任信託の信託行為においては,

⑴ 限定責任信託の目的

⑵ 限定責任信託の名称(名称に『限定責任信託』の文字を用いる必要がある。)

⑶ 委託者及び受託者の氏名又は名称及び住所

⑷ 限定責任信託の主たる信託事務の処理を行うべき場所

⑸ 信託財産に属する財産の管理又は処分の方法

⑹ 信託事務年度

を定めるほか,登記が要求されます。

 信託法の知識は,弁護士にも非常に大事なものといえます。