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事業場外労働みなし制度

 事業場外労働みなし制度とは、①労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなし(所定労働時間みなし)、ただし、②当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合は、当該業務の遂行に必要とされる時間労働したものとみなし(通常必要時間みなし)、さらに、③上記②の場合において労使協定が締結されたときは、その協定で定める時間を上記②の「当該業務の遂行に必要とされる時間」とする(協定時間みなし)制度です(労働基準法38条の2)。

 「通常必要とされる労働時間」とは、想定される平均的な労働時間とされるので、実労働時間算定に準じた取扱いともいえ、実労働時間の算定困難性を認めて事業場外みなし制を適用した東京地判平成22年7月2日等も、事業場外労働の実態等を具体的に検討した上で通常必要時間を算定しています。

 最高裁平成26年1月24日は、使用者が労働者の勤務状況を具体的に把握することが困難か否かという観点から判断しており、実務の具体的な判断としては、①事前に具体的な勤務内容が定められ、②業務上の裁量の幅が限られ、③使用者がその内容に沿って業務遂行を指示しているだけでなく、④添乗日報のような事後の報告(自己申告)の正確性が確認できれば、労働時間算定困難性は否定されることになるものと考えられます。